日陰の小道

心はもう無重力状態

『拡張少女系トライナリー』を取り巻く虚構と、そして祈り

(8月までのあらすじ)2ヶ月弱によるインスタントなココロトリップをキメたぼくは、コンテンツが1年半積み上げた情報の多量摂取により自己世界を急拡張するものの、しかし突如かつ予定通りの自己拡張世界の断絶によって完全に中毒に陥ってしまった!

cemetrygates1919.hatenablog.com

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『拡張少女系トライナリー』とかいう凄まじく強烈なフィクション体験ができるヤバいアプリケーション

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apps.kakutora.com

をプレイした。ヤバい。このアプリケーションは8月末にサービス終了してしまうのだけれど、まだ今からでもそれなりに駆け抜けることもできると思うので、少しでも気になる方は試しにやっておくべきだと思う。ここインターネットの場末にふらっとたどり着いて僕のように急遽ココロの旅をする人が一人でも増えることを期待して、この感想記事にはネタバレはある程度回避しようと思うので!
想像上の物語や人物に恋い焦がれ続けた自分にとって『拡張少女系トライナリー』はこの現実とは違う世界と人々の息吹を感じ、あまつさえそこに些細な介入ができてしまう、夢のようなアプリケーションであった。

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2018/07/29 TRUE TOURS 2018~Lonely Queen's Liberation Party~ @LIQUIDROOM 感想

ひなろじフィナーレイベでの勇姿とBUTTERFLY EFFECTORが忘れられず、TRUEさんツアーフィナーレ東京公演、初参戦。というかアニメソング畑の方の単独ライブに行くのがまず珍しい……!生バンドが嬉しいっすね。

セットリスト

  1. Lonely Queen's Liberation Party
  2. サンドリヨン
  3. パズル
  4. 終わりたい世界
  5. Dear answer
  6. Roadmap
  7. 盟約の彼方
  8. STARDOM!
  9. 酸素
  10. 未来のひとへ
  11. サウンドスケープ(Loving nostalgia Ver.)
  12. フロム
  13. JUMPIN'
  14. 分身
  15. 次の僕へ
  16. 飛竜の騎士
  17. Divine Spell
  18. BUTTERFLY EFFECTOR
  19. カレイドスコープ
  20. Anchors Step

アンコール

  1. Sincerely
  2. DREAM SOLISTER

ダブルアンコール

  1. サウンドスケープ

感想

今回は4月発売の新譜『Lonely Queen's Liberation Party』を引っさげてのアルバムツアーということでアルバム曲+タイアップ曲という風なセットリストなので、慌てて最新作で予習した僕のような初心者には優しい感じで素直にありがたい……。そしてこのアルバム、一度聞いたときから最高にライブで映えそうな曲だらけだなあと思っていたのだけれど、期待を裏切らない楽しいライブだった。

アルバム同様表題曲の『Lonely Queen's Liberation Party』で静かに幕を開けつつ、『サンドリヨン』『パズル』とポップで可愛らしい曲が投入され一気にテンションを上方向に持っていかれる。『Roadmap』みたいなロック調の曲もいい具合に盛り上がりに貢献しつつ、序盤だけでもアルバム楽曲の盛り沢山さに改めて舌を巻いてしまった。

何曲かの演奏の後、「作詞家:唐沢美帆」としての楽曲のセルフカバーを。過去のセトリも少し拝見したけれど、これ結構お約束なのかな。歌手と作詞家、両方の顔を持ちつつ双方で活躍しているTRUEさんならではの面白い試みだなあと思う。コーナー開始前に「作詞家ということを知らなかった人?」とのTRUEさんの質問で会場でこぞって手が上がり「これじゃアンケートにならない」とのMCは笑ってしまった。
カバー曲一曲目は『ラクエンロジック』のEDテーマ、新田恵海さん提供曲の『盟約の彼方』だ。このときのMCでフラスタの話で新田恵海さんの名前が出たときは心の中で勝利を確信したが無事に拾えて感無量だ……。ひな定理者としては、ひなろじに続いていく物語であるところのラクエンロジックのテーマは本当にな……。最近主人公の美親が再度復活するストーリーなんてものも読んでいたのでますます感慨深い気分になる。
luck-and-logic.com
二曲目は『アイカツスターズ!』OP、せな・りえ・みき・かな from AIKATSU☆STARS!による『STARDOM!』を披露。このときは他で見かけなかった文字入りペンライトを振る人がちらほら、アイカツのファンの方だろうか。普段イベントに行くにしろコンテンツ括りの人間なので、こうして全然知らないところのファンの方と一緒の会場にいるというのがなんだか奇妙な嬉しさがあるなあとか思ってしまった。

中盤はバラードの流れも。ここではTRUEさんの曲への想いが語られ、「祖母の死に際しての母の気丈さから創作のように派手でない死への周囲の反応を目にし、そしてハンカチに包まれ仕舞われていた祖母の写真から母の静かな家族への愛情を感じた」というようなエピソードが披露された。そうした当たり前にある愛を歌った『酸素』はお話を踏まえるとより一層心にしみるようでもあり。
「アニメの曲でもあるけど、ここまで続けてきた私の曲でもある」と歌われた『サウンドスケープ』もOPとして聞いたときとはまた違った顔が見えるようで新鮮だった。バラード曲ってより一層歌詞が耳に入ってくる気がするのだけど、『フロム』もすげえいい曲っすよね、はやく僕も透き通る心は愛しさを知りやがて寂しさを知りたい。すかすかもそのうち見てみようかなあと思わせられる。

ラストスパートは激しめにガンガン盛り上がる曲の連打でボルテージMAXに。『JUMPIN'』を始めとした熱めのアルバム曲から、『飛竜の騎士』『Divine Spell』といった人気タイアップ曲へと続いてゆく。『Divine Spell』はなにげに東京公演で追加らしくここでも得してしまった気がする、めちゃくちゃ楽しかったのでここで聞けてよかった……。
僕的には最も期待の『BUTTERFLY EFFECTOR』はこの流れで突っ込まれて来たもので体力が結構削られていたのだけれど前奏の瞬間ぶっ飛んでしまったよね。双方の体力を気にしないような流れが強すぎる。いやひなろじフィナーレイベ以来のこの曲素直に最高だった。元々がバンドミュージックの曲なので、生バンドの迫力で聞くと更に昇華される。ぴょんぴょんしながら「無重力状態~」と言うのも楽しかったし、コール部分も相まって改めて本当にライブでますます活きる曲である。高まりすぎて気持ち悪くなったしマジで酸欠になってしまった。興奮しすぎて正直記憶のロジックを無くしてしまったので、また1764回ぐらい聞きてえよな。
体力を絞り出すようなスパートの終わりはアルバム同様のラストソング『Anchors Step』でゆったりと終了。楽曲の幅もさることながら、それ全てにマッチした歌唱スタイルを選択するTRUEさん本当に凄まじいシンガーだったなあ。特にタイアップ系なんかは張る曲も多いというのにこの苛烈とも言える流れを完全にやりきっていて凄まじい。アニソン界の至宝では。

アンコールでは満を持してという感じで『Sincerely』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はTRUEさんの関わるところも多く最新作のせいかライブでも扱いが大きめだったような。いやいいアニメだったが、そこを彩る曲もまた良い。TRUEさんはタイアップ曲に際して原作などをガッツリ読んでそれに沿った内容を出していくというお話もされていたが、その言葉に見合ったピッタリの詞を提供されるよなあと改めて思う。それは『ひなろじ ~from Luck & Logic~』にしてもそうだし、『響け!ユーフォニアム』に関してもそうであった。
DREAM SOLISTER』に『サウンドスケープ』もそんな曲で「響け!」だったり「次の曲が始まる」だったりと本当に作品に寄り添いつつ歌詞としては逸脱せずのプロの仕事っぷりで。あとこの二曲はジャンプするところが多くて楽しかった。曲にあわせて体を動かすって楽しいよね、とにかく原始的な歓びに満ちたライブだったと思う。

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会場では早速次のライブの告知とチラシも配られ、ツアーフィナーレを迎えつつも更に突き進むTRUEという歌手の姿を再度見せつけられた終幕であった。
また次のタイアップソングも発表され、秋アニメの『転生したらスライムだった件』のEDテーマを担当されるそうで。「めちゃくそめちゃめちゃ面白くて一気に読み終えてしまった!」とTRUEさんも太鼓判。異世界魔王といい異世界転生に縁ができてきましたね、ひなろじ異世界だしデビューのバディコンも異世界だからな……。ということで転生したらスライムだった件要チェックだぞ!

www.ten-sura.com
news.mynavi.jp

5周年と聞いてそうかバディ・コンプレックスからもう5年なんだよな……と思いを馳せてしまった。UNISONIAもいつか聞いてみたい。

Lonely Queen’s Liberation Party(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)

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2018年 冬アニメ感想を殴り書く

TV視聴アニメ感想をブログに書き始めてからこれで一年と思うと感慨深いような気もする。今期も豊作だった。いやもう春アニメが終わりそうだけど……。

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冬が終わると……春がきたー!

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『あさがおと加瀬さん。』(2018:日)感想 初恋の日々は世界全てがきらめいて見える

百合、流行してるよね、ってことでガチガチの女子高生同性恋愛モノっぽいこいつを見に行った。原作があるらしいのだけれどそちらは未履修で鑑賞に。


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あらすじ

緑化委員の仕事に熱心な女子高生の山田結衣。内気でおとなしいそんな彼女に、正反対のスポーティーでちょっと男勝りな加瀬友香という彼女ができた。初めて付き合いだした山田の日々はドキドキの連続。ちょっと不器用な彼女たちはしかし着実に近づいてゆき、ピュアな二人の高校生活が繰り広げられる。

作品紹介(ほぼネタバレなし)

とにかくめちゃくちゃ甘い。付き合いたてバカップルのバカップル日常を観測することになるので恥ずかしさすら覚えてしまうほどに清々しいほどバカップル。胃痛な空気は薄いのでそちら方面がフェチな方はズレが発生してしまうかもしれないが、逆に安心して見られる作品スタイルに仕上がっていると思う。
画面も色彩が美しく、また繊細に二人のドキドキ感を動き・表情・間を使ってたっぷり表現してくれる、丁寧に作られた恋愛映画であった。「女の子同士の恋愛」が好きならばおそらく間違えない作品なのでは?

youtu.be

感想(ネタバレあり)












非現実味のある演出がおもしろく、妙なほど地面を軽快に飛び跳ねる水滴であったり、友香の制汗剤のレモングラスの香りは蛍のような輝きになってただの結衣の部屋を幻想的に演出したりする。この光景というのがそのまま結衣とそして友香の胸の高鳴りであり、世界をも変化させてしまうきらめきなのだと思う。
また印象的なのはとにかく光が目立つ。夕暮れのバス停での西日の現実離れした輝きは特に印象的だ。この強烈な光はラストのシーン、飛び込む結衣と受け止める友香、発射する新幹線のライトにてまた再び表現される。大学進学の進路にまつわる離別の予感から、どこかぎこちなくなってしまう二人だったが、東京へと追いかける決意をした結衣の想いが届いた瞬間、出発の電車はまた再びまばゆい光を放ち旅立ちを祝福するのだ。全編通して二人の想いがうまく表現された、良き映像作品だったと思う。一方で全体的にはコメディ調の軽いシーンが多く、気軽な空気であるのもバランス良い。

ストーリー展開はちょっとすれ違いつつもイチャラブを見せつけて、最終的に大学進学を控えても寄り添う二人の姿でエンド……とかなりシンプル。その分先述の演出により、巧みに浮遊感のある雰囲気と、そしてキャラクターの姿を存分に描ききっていた印象だ。
顔も端正でスポーティ、更に持ち前の明るさで人気者の友香。一見非の打ち所がないような彼女が結衣の前ではデレデレなのが面白い。その立ち位置から結衣をやきもきさせる側かな……と思わせつつ積極的に唇を奪いに行ったり、なんだったらベッドに押し倒したりとかなり強めのアプローチ。結衣がいない間にこっそりと布団に潜り込んでいたシーンでは映画館でも思わず笑ってしまう観客が多かった。いや男子高校生の性欲以上の思春期メンタルでは……。
一方の結衣はおっとり目立たない女子高生なのだが、故の自己評価の低さから来るような無自覚さに、思春期メンタルの友香はある意味振り回されっぱなしである。世間的には憧れの存在である友香が、逆に女子っぽい結衣の部屋にドキドキしたり、また緑化委員の仕事をする彼女をずーっと眺めていた、と逆転的な構図になるのが面白い。いや山田結衣は関係においてキス程度しか知らないというのにズバズバと相手のフェチを撃ち抜いてくる魔性の女だったよ。
付き合い始めたからと言って劇的に二人の関係が変わるわけでもなく、関係の名前だけを変化させた二人のそれはふわふわとして不安定。だからこそ小さなことからすれ違い「嫌いになった?」と不安になる。好きあっていながらもその距離感には慎重な描写がなされていた。一方であまり辛気臭くならずにその問題は比較的すぐに解消されていくので、視聴感は常に爽やか。ゆるりと楽しめるタイプの映画である。

素直にめっちゃいい映画だったと思う。思うのだがおれの趣味的な観点でいうとかなり乖離してもいた。
まず自分は馴れ初めばなしが好きなのだ。恋愛ノベルゲームでも告白成功した途端になんだかモチベーションが下がってしまうことが時々ある。他作品の言葉から引用すると「成就した恋ほど語るに値しないものはない」的なメンタルに近いかも知れない。なんだかイチャラブが苦手みたいな言い方になるが、ここはポジティブにその前が好きすぎるとさせていただきたい。
原作では結衣の育てるあさがおをきっかけとした出会いから告白の流れがあると聞いたが、映画だと付き合いだしたとこからというのが惜しいなあになってしまう。これに関してはあさがお要素がラストで急に花言葉として飛び出してきたことに、タイトル回収でありつつも脈絡の無さを感じてしまったのも残念だった。いや見落としていたなら本当に申し訳ないのだが、やはり恋愛ドラマの醍醐味を出会いと接近に大部分を感じてしまう人間なので惜しい。

もうひとつ思うのは、非常に雄弁な映像でありつつも二人の恋人関係というものに関する感情はあまりに明白すぎて、読み取りを試みる面白さがあまり感じられなかったところだ。そういう秘匿された感情は、両者の関係が曖昧であるほうがよく飛び出してくる、という意味では前述の不満点につながる話かもしれない。基本的に結衣視点で進んでいくのだが、対する加瀬さんサイドの好き好きオーラも凄まじいので特に視聴者側から考えることなにもないんだよな。そういうおれ観点では三河っちに付き合いの長い幼馴染ポジとして軽く嫉妬していてくれたりすると嬉しいなとか思いながら見ていた。いや完全に悪いオタクの趣味の話になるが。でも三河っちはいいやつだよ。

余談だが「女子高生二人と卒業にまつわるストーリー」でありつつも「二人を中心とした狭い世界を感じさせる」「部活などの共通点は存在しない」「現実的な世界観ながら描写が幻想的」「二人の感情は明白に表されている」「二人はこれからもずっと寄り添う」と特徴を挙げてみるとこの前見た『リズと青い鳥』とはストーリー的には近い要素を感じつつも真逆のスタイルで構築された作品だったなあと思う。リズ青の方を「おれにとっての理想の作品」と絶賛したような人間だから、今回微妙に合わなかったのは必然のようでもあり、逆に変にリズ青を引きずってしまったのでは疑惑もあり……。
いや何度も言うけど『あさがおと加瀬さん。』は実に丁寧な映画だったし、なかなかこのような恋愛ものも見ないしでおもしろかったのだよ。ただ自分にとっての趣味を再確認する映画だったな~という感想が大きく、しかしとはいえそれ含めておもしろい視聴体験であったと思う。やっぱり自分あまり百合好きではないのではという気がまたしてきたな?

あさがおと加瀬さん。 (ひらり、コミックス)

あさがおと加瀬さん。 (ひらり、コミックス)

『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』(2018:日)感想 「生きろ」というメッセージを投げつけた、シリーズ完結作

最近はちょっとずつ仮面ライダーシリーズを履修したりしている僕なのだが、初のライダーというと去年になんやかんやで見ることになったAmazonプライム配信の『仮面ライダーアマゾンズ』なのだよな。初のライダーにコイツは如何なものかというポジションの作品ではあるのだが、刺激の強さとそして何よりも短いのは初心者向けとも言えるのでは? とこの道を辿ってきた自分的には思ったりもする。そんなアマゾンズの完結編である劇場版を見てきたわけだ。

 
www.amazons.jp

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【聖地巡礼】北海道・帯広周辺『ひなろじ~from Luck & Logic~』舞台探訪&実質ひなろじ探しの旅の記録

もう夏日かなあと思いきや急に肌寒い日が続いたりと、非常に気候が不安定な今日このごろ。桜の開花も忙しい日々の中で気がつけばあっという間に散ってしまい、果たして四季の中の春はどこへいってしまったのやらと思いながらもう5月の上旬である。本州はすっかり新緑の時期、桜の並木道も青々とした葉を茂らせているが、そんな頃でも北海道の地域によると桜が咲いていたりもするらしく、こちらとの気候の差を実感してしまう。北海道……桜……

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