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セントラルの雨

意識を高めてゆく

2017/04の一冊と一枚『Fate/Grand Order 第一部』『NOOK IN THE BRAIN / the pillows』

1年の1/3が終わり? 馬鹿野郎年度はまだ始まったばかりじゃねえか。これを交互に繰り返すことで自分を騙すんだよ。

Fate/Grand Order 第一部

※念のため言っておくと終章までのネタバレに気をつけてください
www.fate-go.jp

いや本じゃねーじゃねーかという石を投げないでください。これには理由があって、先日僕はどうにも育成のモチベーションがあがらないことを某所で軽く愚痴っていたら、「ゲームと思うからいけないのであって、テキストを読みたいだけなら石で支払う電子書籍だと思えばいいのだ」と大変目からウロコのアドヴァイスを頂いたため、なるほどと思い一気に人理修復まで強行したというわけなのだ。ちなみにその方は電子書籍のガチャに結構突っ込んでいるようだが……あっよしてください、石を投げないでください。
さて僕はというと石は投げずに砕きながら行軍した。終章のバランスは結構シビアで、特にボス連戦相手にはコンティニュー必至だったが、こうやっておいてなんだが僕のような2017年組であろうと石を砕けばボスが倒せてしまうというのはちょっと複雑でもある。もっともそれなりには育成などもこれまで頑張ってきたが、とはいえ一年以上かけて到達するであろう大ボスは本来であれば工夫をこらして打倒すべきものだろう。FGOはスマホゲーにしては珍しくしっかりとしたストーリーやそれに伴うボスバトルの熱さをウリにしていたが、この媒体でやるとなるとこういうところのシステムにはどうしても歪さが出てしまうよなあ、と思う。(1年かけないとクリアできないような仕組みだったらプレイヤーとしてはもっと困るのだが……)
一方で、作中の舞台を2016年にし、物語の終焉までの作中時間とその配信時期を合わせることにより、現実世界とシンクロした演出を繰り出してきたのはこういったスマホゲームの強みを最大限に活かしてきたな……! という印象。この展開の反響という盛り上がりがあったからこそ僕のような2017年参戦組も出てきたのであろうし、そのあたりの演出の手腕は流石である。

トーリーはやはり面白い。特に評判の6章からはグッと引き込まれ、その息もつけないほどの怒涛の展開には夢中になってしまった。
各時代を旅し、様々な形で生きてきた英雄たち――サーヴァントとふれあい、そこで主人公とマシュは何を掴んだのか。いずれ終わりが来るものならば永遠にしてしまえばいい、今までの道のりは無駄であった、と人類史を否定するゲーティア。それに対しマシュは残酷な自分の運命にもかかわらずにそれでも限りある生を肯定してみせる。全知全能を放り投げたロマニ・アーキマンは自身の結末を予見しながらも、人間として過酷であったであろう10年を楽しかったと言ってのける。ここで描かれたのは脆弱ながらもそれに必死に抗う人間の美しさであり、そして圧倒的なその肯定、すなわち人間賛歌であった。終盤のサーヴァント大集合の展開は王道で胸が熱くなったし、やっぱりシンプルなものはシンプルに良いね。
魅力的なキャラクターと魅力的な物語……、FGOは当初のシステムの凄惨さは時々噂に聞くが、にも関わらずここまで復活できたのは今までのFateというコンテンツの貯金を放出して顕現したこれらのお陰だったのだろうと実感する。しかしこんなことをできるのはこのゲームぐらいであろうし、FGOというのはスマホゲー史における特異点だよなあ……ともまたしみじみ思うわけで。いやいい夢をありがとうFate/Grand Order、今後の展開も楽しみにしている。
最後にこれだけ言いたい。
大変魅力的なオルガマリー・アニムスフィアちゃんを早く再登場させるんだよ運営オラ!
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所長みたいな小心者な頑張り屋には幸せになってほしいじゃないスか……。

NOOK IN THE BRAIN / the pillows

NOOK IN THE BRAIN (初回限定盤(CD+DVD))

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トラック
  1. Envy
  2. 王様になれ
  3. Hang a vulture!
  4. パーフェクト・アイディア
  5. Coooming sooon
  6. She looks like new-born baby
  7. pulse
  8. ジェラニ
  9. BE WILD
  10. Where do I go?


唐突で申し訳ないのだが少々自分語りをする。the pillows、好きなバンドは数あれど自分にとっての青春のバンド、というと迷わずこれを上げるしかないバンドだ。多感で憂鬱で不安定な青春時代に出会ったハイブリッドレインボウとストレンジカメレオンの衝撃は忘れられない。Dinosaur Jr.、Pixiesthe smithsPavementなど今大好きなバンドで、僕がthe pillowsから知ったバンドは数多い。つまりピロウズが僕にとっての音楽の好み的ルーツと言っても過言ではないわけだ。
ただそんなピロウズ、最近の新譜もとても良いロックンロールアルバムなのだが、どうしてもかつてのそれと勝手に比べてしまうと昔のほうが好きなのだ。敬愛するバンドの今を盲信しきれないのは凄く心苦しいが、でもライブに行けばやっぱりピロウズ最高やな……という気分にもなる。結局のところ、青春時代に受けた衝撃をある程度年を取った今の僕では感じることができないというのが大きいのかもしれない。

さてどうでもいい愚痴を少々吐き出したところで今回のアルバムの話。発売は3月だが4月のものとして書くということで、ゆっくりのんびり聞いていた。
バンドの一時休止や、長年に渡ってサポートベースを務めた鈴木淳の突然の解雇、そんなものを経て完成したアルバムの通算2作目となる。1作目だった前作「STROLL AND ROLL」はそういったしがらみを解き放った解放感と、それでいて新たなスタートを切った緊張感があるアルバムだったと思う。個人的には前作の緊張感が好きでもあったものの 、今作「NOOK IN THE BRAIN」は更に円熟感が出ており安定感のある一枚。また「トライアル」あたりからストレートなロック路線が目立っていたが、今作は久々のへろへろオルタナロックアルバムの復活、といった趣がある。「ムーンダスト」や「カッコーの巣の下で」のようなシリアスな大曲もない。へろへろオルタナに関しては「OOPARTS」あたりの時は偏執とも言えるような妙なへんてこフレーズに拘っていた印象があるが、ストレートなロック路線を経たせいか丁度いいバランス感覚に仕上げてきているように感じる。(あの頃はあの頃で好きだけどね)
「今」を存分に楽しんだピロウズという感じの気持ちがいいアルバム。一方で、そこまでの目新しさはないかも。
アルバム前半は、リード配信シングルのミドルテンポ曲「王様になれ」、明る気な雰囲気から一転してダークな音色になるサビの落差がユニーク「Coooming sooon」など陽気でアッパーな曲が並ぶ。そこから後半の「She looks like new-born baby」からグッと哀愁が増し、清涼感のあるギターフレーズと叙情的な歌詞が特徴的な「ジェラニエ」でその切なさは最高潮に。そこから一気にブチ壊す「BE WILD」、そしてピロウズお約束の締めの軽いアップテンポ曲「Where do I go?」で幕を閉じる、30分と短いながらも美しい流れだ。うん、なんだかんだ言ったが普通にいいアルバムではないか。

これからのピロウズはどのような姿を見せていくのだろう。これからかの名作「フリクリ」の続編もやるらしく、今回もピロウズが曲を提供するらしいのだが、さて一体どうなるか。アニメの出来は期待もあり不安もあり、といったところだがなんだかんだでピロウズ山中さわおを僕は信頼しているので曲に関してはまた楽しいものを出してきてくれるのでは、と楽しみにしている。

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