日陰の小道

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きらら展という実質美少女サブカルチャー歴史展示会にオタクが行ってきた日記

「きららが好きです~」みたいな顔をしておきつつもアニメしか基本知らない軽薄な人間だったので興味がありつつ迷っていたきらら展、でもなんとなく聞こえてくる評判が良さげなので行ってきた、最終日にようやく。

www.kiraraten.jp



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秋葉原駅から歩いて、コラボで外装がきらら仕様になっているatreを眺めたりしつつ会場へ向かう。
このアーツ千代田という会場、学校を改装してできた建物らしく、学校が舞台になっていたり、中・高生の登場人物も多いきららの雰囲気にマッチしていてよかった。いかにもな横並びの水道があったり、グッズ販売所がもろ体育館だったり、下駄箱っぽい棚がパンフレット置き場になっていたり。


順路通りに進んでいくと簡単な説明の後に、今までのきらら雑誌刊行物が壁一面に展示されている。今年15周年を迎えるというのだからそれ自体が結構な歴史的展示と化しており、見ごたえがある。昔の表紙を見てみると今の美少女ものの主流とは当然またがらっと違ったものであるわけで。たまーに「"きららアニメ"は画一的」などという非難を目にすることが自分はあるように思うが、こうして眺めていると(当然アニメ化作品だけでないので直接その批判にはならないにしろ)寧ろ非常に様々なバリエーションに富んでおり、「きらら」の多様さが肌で感じられるようであった。
順番に眺めていくとだんだん自分でも知っているような作品が表紙を飾っていたりして、そして今となってはそれすらも結構前のことである連載だったりアニメ化だったりという情報が「当時の最新情報」として掲載されている。「キルミーベイベーアニメ化決定!」の表紙を見た時に、なんだか嬉しいでも悲しいでもないがひどく感傷的な気分になった。い、いやこの空間において自分は外様なので、インスタント・エモ・オタクになってはいけないな、などとよくわからない自戒もしつつ。


しかしとにかく15年の重みがあるのだからそれは外様の人間からみても結構なノスタルジー空間なのである。続いては80作品の描き下ろし展示ゾーン。一枚イラストに簡単な作品解説と、漫画誌らしく1ページ分のこちらも描き下ろしのカラーコミックが展示されている。この作品解説が、漫画タイトルとそれとは別にイラストのタイトル、そして作品の掲載期間付きであり、この掲載期間にノスタルジーな空気に当てられてついつい注目してしまう。連載中のものもあれば、去年終了したもの、またもっと前に終わったものなど様々である。そんな作品が15週年という節目に一同に会しているという事実だけで心に触れるものがある。一つ一つ読んでいくと、キャラクターのその後の想像だったり、長いこと高校生をやってきて……というメタな内容だったりと、15周年ならではの内容になっているものも多く、またそれが今いないタイトルも今いるタイトルも含めて、なんだか時間の重みを感じてしまう。
展示は"希望""夢""勇気""ときめき"がテーマとなっており、ごちうさのKoi先生は普段どおりの楽しげな町の様子をコミカルに描いていてほっこりした。一方でキルミーのカヅホ先生なんかも普段の芸風で、テーマをキャラクターに担当させ合体しようとするものの、上手くいかないのでソーニャちゃんを毒殺した後3人で合体するもグロデスクな存在になってしまう……と平常運転すぎて会場で笑ってしまった。
ここらへんのイラストは図録にまとまっているのだが、お金が無くてスルーしたら今思い返して文を書きつつ非常に後悔の念に苛まれてきた。ので他共々地方民に向けた意味も込めて通販してほしい……。


次にはアニメコーナーということで映像展示があったり。これまた壁一面にパッケージと共にそれぞれの作品のアニメーションを流していたのだけれど、こう改めて見るとものすごく流行したタイトルや、今でも自分や他のファンの心に深く刻まれたようなタイトルも多く、きららの歴史はアニメの歴史、ひいてはオタク文化の一側面の歴史でも確実にあるのだなあと実感する。榎戸駿氏のショートアニメも素敵だった。フリップフラッパーズとかにも参加されてたアニメーターさんなんだな。

きららファンタジアのコーナーなんかもあって、キャラクターパネルと同時にスイッチを押すとキャラクターボイスが聞ける展示や、設定資料の展示もされていた。きらファン、自分はやっていないけれどファンタジー調にアレンジされているキャラクターは面白いよね。


最後は撮影可能のスペシャルコーナー。星を持った主人公たちのパネルや、直筆イラストが展示。星のパネルが重ねて置いてあって、何に使うのかなと思っていたら鳩谷こはねさんと記念撮影している人がおり、ああなるほどと合点がいった。自分はきららキャラ然としていない人間なので遠慮しておいたが……いや美少女アイコンを使ったりしている私が美少女でないわけはないですが……。

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かおす先生の描いたイラストが見られただけで結構なアド感じてしまいますね……。


結構短めの開催期間+激混みという噂だったので二の足を踏んでいたところもあるのだけれど、最終日の遅くにはそこまでということもなく、当然人はいたけれど十分にゆったり楽しめる程度だった。きらら展、行けてよかった、楽しかった。

キルミーベイベー (10) (まんがタイムKRコミックス)

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