新譜を引っさげてまたRIDEが来日してくれたので、今回も参加。再結成後に精力的に活動してくれているのが本当に有り難い……。
セットリストも新曲の割合が増え、ますます新時代のRIDEを感じさせるライブだった。
セットリスト
- Jump Jet
- Future Love
- Leave Them All Behind
- Charm Assault
- Chrome Waves
- Fifteen Minutes
- Shadows Behind The Sun
- Repetition
- Lannnoy Point
- End Game
- All I Want
- OX4
- Taste
- Kill Switch
- Drive Blind
- In A Different Place
- Vapour Trail
アンコール
- In This Room
- Seagull
感想
今年発売の新譜『This Is Not A Safe Place』を引っさげてのRIDE来日。とても頻繁に来てくれちゃっているので、海外のバンドでも私がかなり参加できている方なのでは? 素直にとても嬉しい。上記セトリには載せていないものの、入場SEとしてアルバム一曲目から『R.I.D.E.』が流されており、期待が高まる。
相変わらずマーク・ガードナー(Gt.Vo)はスキンヘッドでにこやかに登場。毎曲「センキュー」「ありがとう」と欠かさず投げキッスなどサービス精神も旺盛。一方のアンディ・ベル(Gt.Vo)は足元を見つめつつギターを掻き鳴らす古典的なシューゲイザースタイルが対照的だ。ローレンス・コルバート(Dr)やスティーヴ・ケラルト(Ba)もすっかり渋いナイスミドルだが、しかしそんな彼らの演奏は円熟さを思わせる安定感があった。
早速新譜からの曲が続く。『Jump Jet』ではマークの歌声が高らかに響き、『Future Love』ではマークとアンディのツインボーカルが披露され、メロディアスなギターの音色と相まって非常に美しいハーモニーを奏でていた。今回の新譜でもリードシングル曲として披露されたこの曲はわたしも多分にもれずかなり気に入っていたので、否応なしに気持ちが高まる。
続いての2ndアルバムからの選曲『Leave Them All Behind』も嬉しい! おそらく当時はもっと轟音ギターロックの流れにあったであろうこの曲も、今披露されるとギターノイズが美しく調和して渋くすらある。「今のRIDE」というものを改めて非常に感じさせる一曲だ。
『Charm Assault』は前作『Weather Diaries』からの一曲。もはや再始動から生まれたこの曲もRIDEの代表曲の一つと言えるような存在感があり、彼らの新たな歩みを感じるようだ。再結成したばかりの頃は当然殆どが既存曲(更に3rd,4thは干されているのでそれ以前)というセットリストだったものが、今や「新曲」だらけになっている。嬉しいような、昔の曲も大好きな曲が多すぎるのでちょっと惜しいような、そんな気分だ。
新譜だと『Repetition』も良かった! ちょっと残ったシューゲイザーのエッセンスが上手く今のスタイルに落とし込まれており、非常に軽快でダンサブルな曲に仕上がっていてライブでもめちゃめちゃ楽しい。RIDEのリズム隊が好きなんだよなあ。再び2ndからの美しいインスト『OX4』も嬉しい。今回のライブでは2ndからの選曲がわりとあったが、丁度当時でもシューゲイザーからブリットポップへの過渡期的なアルバムだったので、ちょうど今のスタイルとは偶然にも噛み合うものがあるのかもしれない。
逆に1stからの『Taste』なんてもう浮きまくるぐらいに前のめりで驚いてしまった! などと思いつつも当然アガりまくってしまうが。続けては新譜からかなりオルタナ風にハードな『Kill Switch』へとつないで、そこから初期の『Drive Blind』にて会場を轟音の中に叩き込む。新旧入り乱れながらも調和を持って繰り出されるセトリが面白い……。
音にやられたところで1stから『In A Different Place』、そして大名曲『Vapour Trail』にて浮遊感の中で終了。『Vapour Trail』は何度聞いても本当に美しくて涙が出てしまう……今回も聞けて本当に嬉しい。飛行機雲を思わせるような白い斜線の照明も相まって、非常に輝かしい光景だった。
アンコールでは『This Is Not A Safe Place』とアルバムタイトルを歌い上げる『In This Room』が満を持して登場。原曲でも8分を超える大作バラードをメランコリックに歌い上げ、会場全体がその美しさに酔いしれていた。そしてラストを飾るのはこちらも満を持して披露される人気曲の『Seagull』だ! 迫真のドラム、陶酔的にリフを奏でるベース、そして唸るようなノイズギターの轟音が今日一番と言っていいほどの熱狂を生み出す。最後なので出し惜しみなしとばかりにたっぷりとアドリブ満載で演奏されたアウトロはどんどん加速していき、その緊張が弾けると共に華々しくライブは終了した。やっぱり何度聞いてもSeagullが……最高!!!!
RIDEが再結成して、それから新しいアルバムを次々とリリースして。当時のことは後追いでよく知らないけれど、一度も生で聞くことがないのではと思っていたバンドをこう何度も聞けることが本当に有り難い。そして彼らの新譜を聴く度に、これが今のRIDEなのだなあと不思議な感動が生まれているように思う。そのうちまた違う路線になって、3rdとか4thの曲も披露されたら面白いかもしれない……などと思っていたら去年も似たようなことブログに書いてて笑ってしまった。また彼らのフレッシュな次回作やライブが聞けることを楽しみにしていたい。そして次はまた『Like A Daydream』をやってくれ~~~~~『Like A Daydream』が大大大好きなので……!
- アーティスト:Ride
- 出版社/メーカー: Wichita Records
- 発売日: 2017/06/16
- メディア: CD