日陰の小道

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家にいる時はアニメを見よう! Comic Festaアニメ(僧侶枠)全作徹底レビュー

皆さんは『僧侶枠』と呼ばれているアニメを見たことがあるだろうか? 毎週日曜深夜に5分の枠で放送されているアニメ群であり、これは『Comic Festa』というティーンズラブ・成人向けコミックのアニメ化作品の放送枠であり、これの第一作『僧侶と交わる色欲の夜に…』のインパクトから、いつしか人々の間で『僧侶枠』と呼ばれるようになっている。近年ではこの枠での放送に『僧侶枠』のワードが入ることもあり、自他ともに認める愛称として親しまれている。
今回、このアニメ作品を順番に視聴したので、その感想を記して行こうと思う。通常版はYoutubeなどでも無料配信中なので、ぜひ今後の視聴の参考にして欲しい。

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実際に放送されたクイズ番組。


2020年春クールでは『俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~』が大好評放送中!
youtu.be

はじめに

作品内容は以下のフォーマットにて記してゆく。


登場人物
中心となる登場人物を記す。


主人公
多くは女性。大抵内気で押しに弱い。


相手
主人公の相手役となる多くは男性。大抵強気で強引。関係を持ちつつ複数と最終的に結ばれる(一人を決めない)場合は、複数の人物を相手とする。


対抗
主人公と相手との関係に関わってくるもうひとりの人物。作品によって立ち位置はまちまち。2号僧侶、間男とも。


評価
各評価項目に関してはS・A・B・C・Dの順の五段階にて行う。


倫理観
上記のように「男性が強引なアプローチを仕掛けて……」といったフォーマットのある当該シリーズにおいてここを指摘するのもナンセンスではあるが、「僧侶で倫理観のある作品ってなんだろう」といったような話題を興味深く感じたので注目してみた。


規制芸
comicFesta作品はTV放送の際に直接的なシーンを流すことができないので、そこを映像倫理に則った上で規制をしている。これはシーンを有料コンテンツにすることで課金を促す、という形の商業フォーマットでもあるのだが、一方でその規制そのものにスタッフの遊び心が発揮され、極めてユニークな演出が飛び出してくることがある。これを規制芸と呼ぶ。規制芸のために、今回は各アニメ配信サイトの【通常版】での視聴を行う。



内容

作品ストーリーの面白さや、演出の楽しさなど、アニメ作品としての感想を記す。


総評
各項目の評価を踏まえた総合的な評価を記す。

一覧表

作品 倫理 規制 内容 総評
僧侶と交わる色欲の夜に… B S B A
スカートの中はケダモノでした。 C D C C
お見合い相手は教え子、強気な、問題児。 B A A A
25歳の女子高生 C B A B
甘い懲罰~私は看守専用ペット D S B A
じょしおちっ!~2階から女の子が…降ってきた!?~ B C C C
終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜 B C C C
パパだって、したい B C A B
洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~ B B B B
指先から本気の熱情-幼なじみは消防士- A B A A
XL上司。 XL(A) XL(S) XL(S) XL(S)
おーばーふろぉ B A C C
俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~ B C A B
巨人族の花嫁 A A S S

作品別レビュー

僧侶と交わる色欲の夜に…

soryo.w-anime.com
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制作著作:九条くんの煩悩を見守る会


登場人物
主人公:深谷 美桜
隆秀の高校時代の同級生。彼に密かに恋い焦がれていたが、なし崩し的に同居することになり、その恋慕が今も変わらないことを確認し、結ばれる。生真面目そうだが、押しに弱い。


相手:九条 隆秀
僧侶。こちらも美桜に密かに惹かれており、親の決めたお見合いから逃れるため……などと理由をつけつつも強引なアプローチを繰り返す。少々独占的でもあるが、色欲の強さの反面僧侶として仏門へは誠実。「僧侶の前に……俺だって男だよ」


対抗:九条 雪隆
僧侶ではない。隆秀の弟。髪が長いが隆秀同様色男で、周囲にモテる。美桜に迫るも、兄への対抗心や寺という家庭への不満が募ったその心情を見抜かれ、美桜に説得される。


評価
倫理観:B
美桜が初期から惚れていて酔っていたとはいえ部屋まで来てしまうのはある種合意……とはいえ隆秀の迫り方は強引な局面も多く、そこは問題視されるべき。対抗心から弟の前で性交しようとするのは流石によくないと思う。


規制芸:S
九条くんPVと、高校時代の二人のコントを交互に流すTERA劇場は、常に新鮮な楽しさがあり良い。もはや象徴的ですらある木魚の局部隠しも愉快。単なる規制に留まらず、視聴者を楽しませようという強い意欲を感じる。僧侶枠のパイオニアにふさわしい素晴らしい姿勢。


内容:B
素直になれない男女のラブロマンス。僧侶という設定も惹かれ合う二人の前での心理的な障害として機能していたと思う。多分。家の人めっちゃノリノリだったけど……。愛を育み夫婦≒家族となっていく中で、家を飛び出した弟という存在が絡むのも必然性があった。


総評:A
枠名を飾る偉大なる僧侶の一作目。特徴的なセリフ、卓越した規制芸……と枠のイメージ通りのアニメを魅せてくれる。僧侶枠の中でも万人に勧めやすい作品だと思う。僧侶枠を人に勧めることがそれほどあるかわかりませんが……。

スカートの中はケダモノでした。

skirt.w-anime.com
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制作著作:スカートの中の風紀委員会


登場人物
主人公:小南 静歌
男性が苦手で内気な女の子。コンパで出会った女性だと思っていた涼がまさかの男性で、戸惑いながらも惹かれてゆく。女装状態のデートなどを経て、自分の恋心と向き合う。押しに弱い。かわいい。


相手:霧島 涼
超美形。女性に付きまとわれないように女装をしていたが、静歌に一目惚れをし、共に語り合いつつも最終的にスカートの中のケダモノを披露してしまう。基本的には温和で優しいが、独占欲が強く、時に強引に静歌に迫る。


対抗:倉谷 奏介
爽やかイケメン。静歌のことが密かに気になっており告白するが、振られてしまう。影が薄いけどいい人そう。


評価
倫理観:C
女性だからと油断したヒロインを強引に襲う涼の行動は流石に問題だろう。「彼氏候補」「女装デートで男に慣れる」という前提でもケダモノになってしまうのは色欲が強すぎると言わざるを得ない。「他の女の子は内面を見てくれない」と嘆くものの、自分もまたつい襲ってしまうようでは弁明の余地なし


規制芸:D
規制芸は特になく、カットのみ。二作目ということもあるか。


内容:C
男性に苦手意識のある女の子が女装した男性にそうと気づかず接近し、恋に目覚める……という流れは良いと思うのだが、いかんせんスカートの中のケダモノ要素を1話で回収しなければならなかったため、序盤の展開が強引か。目を引く設定の女装する理由もあくまで他のファンから逃げるためで、ヒロインとの接近の言い訳に使われた程度なのは惜しく感じる……がこれは男女恋愛をとにかく楽しむタイプの作品なのでそうした不満はナンセンスかもしれない。


総評:C
設定と枠の性質との噛み合わせから、どうにも僧侶の中でも倫理観が低めの作品となってしまった印象。女装を活かした背徳的なシチュエーションが好きならば良いかも。

お見合い相手は教え子、強気な、問題児。

omitsuyo.w-anime.com
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制作著作:久我宗二の愛の教育委員会


登場人物
主人公:斉川 菜乃
教師。生徒のことを思いやる優しい性格をしているが、そうしたことが災いしてか生徒とのコミュニケーションに不安もあるようだ。教え子である宗二と関係を持つことに迷いを覚えるが、次第に教師という立場でありながらも惹かれてゆく。押しに弱い。


相手:久我 宗二
元々菜乃に気があったようで、見合い相手だった兄に成り代わり、そのまま菜乃と関係を持つ。モテる。問題児扱いだったものの、彼女に振り向いてもらうため勉学にも励み、誠実な姿勢を見せる。渋る菜乃に積極的なアプローチを仕掛けてゆく。


対抗:高宮 宗一郎
弟の宗二をして完璧と言わしめる眼鏡のイケメン。宗二や菜乃の相談相手になったりと活躍する。実は菜乃とは幼少期に一度会っており、初恋だった。彼女に惹かれつつも、弟のために身を引く。


評価
倫理観:B
宗二が見合いから即手を出すのはあまりにも気が早く、惹かれ合いつつも合意の上ととれるかどうかは疑問。また設定上二人は学校内でスキンシップをとることも多く、双方の立場的にもこれは流石に問題児と言わざるを得ない。また菜乃の方も泥酔してよくわかっていないとは言え宗二がいながら宗一郎に迫るなどの行為はいかがなものか。


規制芸:A
一枚絵で「お取り込み中♡」という文字が出る簡素なものだが、毎回デフォルメキャラに一言セリフがあるその心遣いで退屈させない。局部隠しは菜乃愛用の動物の抱き枕が使用されるが、時々妙にデカくて特定箇所どころか人間二人が丸々隠れたりする。かと思えばちゃんと最小限だけ隠したりもするのでユニークで面白い。シンプルな規制の中で、センスの良さが光る。


内容:A
問題児とされていた宗二だが、菜乃への好意を隠さなくなってからはかなり一途にアプローチをしており、好感が持てる。菜乃の優柔不断さには時に少々呆れてしまうことがあるほどだが、教師と生徒の禁断の愛というテーマを描くにあたって、十分にその設定を活用していたとも言える。
兄の宗一郎も交えた三角関係もスリリングだったが、この危ういバランスのドラマの中で登場人物を悪辣には感じさせなかった。「先に好きになったのは宗一郎だが、今を好きになったのは宗二」「菜乃は内気だったからもし宗二と同級生だとこの関係になれなかった」といった今を肯定する細かなロジックの組み立てもお見事。


総評:A
純粋に恋愛ものとして意外なほど楽しめてしまった。人物の造型もよく、規制芸に関しても派手さはないもののきっちり視聴者を楽しませてくる。問題児の名前とは裏腹に、作品としては優等生と言えるだろう。

25歳の女子高生

nigojo.cf-anime.com
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制作:ピカンテサーカス / 彗星社


登場人物
主人公:名鳥 花
25歳。求職活動中だが、叔母に頼まれ不良で不登校な従姉妹の替え玉として学校に登校する。が、かつての同級生だった亮人に一瞬で見抜かれ、押し倒されてしまう。戸惑いつつも、かつての亮人の恋心を知り、それを受け入れる。押しに弱い。


相手:蟹江 亮人
教師。かつてやんちゃな不良生徒だったが、密かに花に影響を受け、立派な教師となった。勤務態度は真面目だが、本来の生徒ではない花に対していたずらじみた強引なアプローチを繰り返す。


対抗:相田 直之
チャラい。本来の生徒である花の従姉妹のことが気になっており、入れ替わった花を疑う。チャラいけど意外と勉強はできる。


評価
倫理観:C
前作のおみつよに続いて学校が舞台となっているが、校内の風紀を取り締まるべき教師側から積極的に卑猥な行為をするのは、より倫理観が低く感じられると言わざるを得ない。一方で互いに成人済みなので立場的な壁は薄いか。
そもそも、不良の生徒になりかわって登校し、卒業させること自体がモラルに反している。卒業を目指すならば本来すべきは従姉妹の教育であり、教育機関を欺くべきではない。


規制芸:B
規制シーンにおいてSDキャラトークが復活している。本編にメタ的にツッコミを入れる内容などコミカルなものが多く、面白い。相田くん一人でやらされたのはかわいそう。通常シーンの規制も一度あったが、画面が強く発光するシンプルなもの。


内容:A
将来が定まらず、日々を漠然と生きる花の不安が、「25歳の女子高生」という設定で(倫理的にちょっと引っかかるが)巧みに表現されている。改めて進路に悩む彼女はまだ社会的に未成熟な女子高生に立ち返っているというわけだ。その一方で今教師である亮人は当時の花の善良さに導かれてこの立場にあり、そしてそのことが花自身をも救う構図が美しい。教師らしからぬ悪戯を繰り返す亮人が、一人の人間としてかつての恋心に真摯に向き合う最終回への構成がうまく、カタルシスがあった。


総評:B
芸はおとなしめだが、専制的な男性側のキメッキメのセリフを楽しみつつ、クライマックスに向けて盛り上がることができた佳作。25歳と女子高生というアンバランスな題材から、バランスの良い僧侶枠が生み出された。

甘い懲罰~私は看守専用ペット

kanshu.cf-anime.com
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制作:彗星社


登場人物
ヒロイン:早乙女陽菜
冤罪である業務上横領の罪状により投獄された囚人。自らの無実を証明するべく脱獄を企てるが、亜貴によって阻止され、心と体を徹底的に支配される。自らを庇ってくれた大和に惹かれつつも、亜貴のいいなりになった心身との間で揺れる。限界状況にあるせいか、押しに弱い。


相手:明神亜貴
看守。同僚や囚人双方から信頼のある模範的職員として働いていたが、陽菜に対してのみ謎の執着を見せる。彼女を快楽刑などに処し、心身ともに摩耗させる。入院中の母親がおり、時折影のある表情を見せるようだが――?


対抗:比嘉大和
囚人。元ヤクザであり、対立する組内の若頭の陰謀によって収監される。同じく濡れ衣で苦しむ陽菜に同情し、彼女に惹かれつつ亜貴に反抗する。陽菜を救い、若頭に対抗すべく、脱獄を企てる。


評価
倫理観:D
そういう作品なので不満ではないが、極めて低い。どのような理由があれ、亜貴が看守という立場を利用し、囚人の人権を踏みにじり「快楽刑」「むち打ち系」「屈辱刑」「餞別刑」と好き勝手に横暴を繰り返すのは許されることではない。法の元で罪を犯した者たちを更生させるための施設で、このような行為を繰り返すのは言語道断である。


規制芸:S
初代僧侶に肉薄するか、勢いでは超えるレベルでの卓越した規制芸。数秒ながらも鮮烈な印象を残す一枚絵に、手袋を使った王道の局部隠し、どれもハイレベルな演出で言うことなし。野球は流石にズルでしょ。


内容:B
今までの僧侶枠としての流れを逸脱するようなダークな設定。亜貴の常に冷徹なしぐさは、強引ながらも優しさもあるスタイルだったこれまでの相手役とは一線を画すものであった。一方で本作対抗の大和は従来の相手のスタイルに近く、それ故か存在感もある。二転三転するスリリングなドラマが見どころ。
シーンとしても語り草となる高速匍匐前進のシーンなど、良くも悪くも派手でシュールな場面も多く、それが楽しめればかなり面白い作品。その一方で原作との兼ね合いか非常に中途半端なところで区切りとなってしまったのは残念で、評価に響いてしまうか。


総評:A
いろいろな意味で僧侶枠としてのカラーをぶち壊す程の異例の問題作。檻を破り暴れるかのような無法アニメを止める術はなく、内容も相まって視聴におけるドライブ感に関しては随一。僧侶枠に関して把握したいならば外せない一作。

じょしおちっ!~2階から女の子が…降ってきた!?~

joshiochi.cf-anime.com
youtu.be
制作:彗星社


登場人物
主人公:相川 壮介
ボロアパート1階の住人。突如2階の床が抜け砂生と繋がってしまったことを皮切りに、次々に女性と関係を持つこととなる。スケベ。


相手:清水 由紀
ボロアパートの大家。アパートの老朽化の責任を取ろうと壮介の部屋に同居を始めるが、なし崩し的に関係を持つ。


相手2:丹生 砂生
ボロアパート2階の住人。劇団員であり、その練習中に床を踏み抜く。ハプニング的に壮介と行為するも、次第に壮介に惹かれる。


対抗:花園 柚子
壮介の幼馴染。壮介が好きで、隣の部屋に越してくる。穴から壮介が覗き見をしていたところ、壁が崩れ第二の穴が生まれてしまう。


評価
倫理観:B
穴から落ちて入ってしまうのは事故……とはいえ荘介が繰り返し欲情して迫るため偶然とだけはいえない。とは言え女性陣からのアプローチも多く、まあ納得しているのならいいのか……? と思いがち。
それでも公共の場で性交するのはやはりいかがなものか。温泉に妙な白いものが浮かんでいたら、次に入るお客はどう思うだろうか?


規制芸:C
「お取り込み中♡」の文字と同時に♂と♀の記号が出てくるのみで簡素。通常シーンの規制はなし。


内容:C
男性主人公ということで、路線の変化が見られる。女性二人は交互にシーンが入る平等な扱いだし、3人目の柚子も最終的に壮介ハーレムの仲間入りといった風だ。女性主人公作品において対抗キャラクターは本命の相手への恋心を再確認させるための、言い方は悪いが当て馬としての役割が大きかったため、新鮮。
女性陣同士も奇妙な友情を育む風で、心理描写は非常にカラッと開放的。そのせいか女性主人公の諸作品よりも性に奔放なカラーを感じた。ひたすらヤる風で、それほど人物ドラマはなし。壮介もケジメをつけなきゃな~と言いつつ最終的にハーレム。


総評:C
僧侶枠としては初の男性主人公故に、今までの作品とは違った特徴が見られる。特に何も気にせずにシーンを楽しめる作品なのだとは思うが、それ故に規制芸も少なめの通常版を見る意義は薄くなってしまうか。

終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜

shucap.cf-anime.com
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制作:彗星社


登場人物
主人公:相澤みのり
服飾デザイナー。強気で、上司である秋彦とよく意見の衝突をしているが、泥酔してカプセルホテルで微熱を伝えることとなってしまい、次第に惹かれてゆく。気が強いが、押しに弱い。


相手:羽田野秋彦
みのりの上司。よくみのりと衝突していたものの、カプセルホテルで欲情し、その後も度々みのりに迫る。普段強気だが、上司としてちゃんとやれているか、と不安げに尋ねる一面も。


対抗:菅原慧
人気モデル。自分のやりたいことと求められる仕事のギャップに悩んでいたが、みのりの懸命な仕事ぶりに影響され、自分も仕事への誇りを持てるようになる。同時に彼女に惹かれ告白するも、断られてしまう。いい人そう。


評価
倫理観:B
ここまで見るとまあ多少強引なぐらいは普通なのでは……という気持ちになってきてしまう。上司と部下という関係から発展するのは問題ないとは思うが、仕事場で激しいスキンシップをしたり、商品の衣装を着て接触するのは問題か。あと微熱出したら安静にしておいたほうがいいと思う。


規制芸:C
まさかのシーンカットなし、大きな白塗りで隠す。流石に味気ないが「ごめんな、TVだと全部は見せられないんだ……」などの注釈が毎回変わるのは心遣いを感じて○。


内容:C
関係上もそこまで壁を感じないので、ドラマ的な盛り上がりには欠けるか。シーンのカット自体はないため、必然的にそういうパートが多くなり、印象としてはじょしおち同様よくヤッてんな……という感じになる。カプセルホテルのタイトルも今ひとつ活用していない印象だが、最終回でいよいよ復活し、1話との対比を魅せた演出の芸術点は高め。


総評:C
最近変わり種が多かったところで、非常に王道の原点回帰といった趣の作品。一方でこの作品ならではの特色には乏しい。シーンがカットされないので、通常版でちょっと見てみたい人には良いかも。

パパだって、したい

papashita.cf-anime.com
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制作:彗星社


登場人物
主人公:阿澄皇哉
男子大学生。家政婦のアルバイトをしている。圭壱の元に雇われるが、彼のナチュラルな色気につい欲情し、強引に関係を結ぶ。男性が好きな自分の気持ちや圭壱の境遇に迷いつつも、圭壱を大切に感じ、自らの想いと向き合う。


相手:成瀬圭壱
息子と二人暮らしのシングルファザー。色っぽく、それ故に家政婦の女性から言い寄られることに悩んでいた。男性なら大丈夫だろうと皇哉を雇うも、押し倒されてしまう。世間体や皇哉の将来を案じつつも、自らの気持ちに素直になることを選ぶ。押しに弱い。


対抗:油井亮平
圭壱の同僚。圭壱のことを心配し、よく相談に乗っている。皇哉のことを試すも、その熱意を知り、二人の関係を認める。息子を預かったりと二人の関係のサポートもしてくれる、頼れる人。


評価
倫理観:B
男性だからと安心する圭壱をつい襲うのは問題……だと思うけどもうこのあたりはいいかな……。息子のいる前で体を触るなどの皇哉の所構わないスキンシップは問題か。
また、同性愛のテーマに対しての心理的な壁ということで使用されるのは現代舞台では不自然さはないとは思うが、異性恋愛こそを普通とする「ノーマル」と呼称するのはやや危ういか。


規制芸:C
圭壱の一枚絵が現れる。簡単だが、人物の絵を用意してくれるのは嬉しい。Sorry, we can't show…


内容:A
僧侶枠発の同性愛テーマの作品。作りとしては男性主人公と女性主人公の中間ぐらいの雰囲気で、スケベだが真摯で親しみがいのある皇哉と、内気で流されやすい圭壱の二人をメインに進む。
圭壱の心理描写が物語の核であり、「仕事一筋で妻に逃げられた」「立場上周囲の主婦とうまく馴染めない」「一人息子の壱佳が心配」といった苦悩を、パートナーである皇哉の存在で癒やしていく様が描かれる。同性愛を扱った作品としても適度な心理的障壁としてうまく設定を活用していたのでは。「壱佳の両手、つないであげられるんだな」という生活に根付いた幸せの描き方が上手い。


総評:B
全8話と短いながらも、設定を生かしてうまく物語を纏めた快作。同性愛に苦手意識がなければかなりおすすめできる。パパだって、見よう。

洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~

araiya.cf-anime.com
youtu.be
制作:彗星社


登場人物
主人公:月島 奏太
男子バレーボール部員。ぎっくり腰で倒れた祖父の代わりに三助の仕事をすることに。ひょんなことから実家の銭湯に女子部員たちが訪れることとなり、これを好機と葵にいたずらを行う。その後も女湯絡みのハプニングに遭遇しつつ、葵と接近してゆく。


相手:結月 葵
女子バレーボール部員。奏太を密かに慕っているが、素直になれず強く当たってしまう。奏太の痩身マッサージを受けたりと女湯絡みのハプニングを通じて、彼に接近し想いを強めてゆく。


対抗:佐々倉 芽衣
女子バレー部キャプテン。痩身マッサージに興味がある。奏太のことを少し気にしつつも、なかなかはっきりしない葵を先輩としてサポートする。


評価
倫理観:B
三助の仕事を利用して性的なマッサージを行うのはたとえ密かに好き合っている相手同士だろうと良くはないのでは。公共の場で接触したり女湯を覗いたりという行為があるのも良くない。おとなしいなという印象が正直なところだが、ここまでくると麻痺してきている感がある。


規制芸:B
シーン中に一枚絵を映す。ネタと言うよりはお色気サービスカット主体だが、毎回変わるのが嬉しい。


内容:B
テーマに沿って女湯でのハプニングを中心に描いているのは誠実。コミカルな作りで、さらりと見ることができる。ドラマ的な見どころは薄いが、シチュエーションが好きな人には満足できそうである。
じょしおちに続く男性主人公×女性ヒロインの作品だが、学生恋愛ということもありじょしおちの爛れた関係よりも清純な印象を受ける。


総評:B
クセが薄めの男性主人公作品。懐かしのエロコメディというスタイルが好きならばおすすめできそう。

指先から本気の熱情-幼なじみは消防士-

yubinetsu.cf-anime.com
youtu.be
制作:彗星社


登場人物
主人公:藤橋涼
OL。颯馬とは幼馴染。チャラい言動の彼に日頃呆れているものの、火災で救出されたことをきっかけに次第に接近し、颯馬の本心を知ることとなる。気が強いが、押しに弱い。


相手:水野颯馬
消防士。チャラいが根は真面目。涼のことを好いており、救助の際も身を挺してかばう。家を無くした涼と同棲を始めつつ、熱情を抑えきれず関係を持ち始める。普段のチャラ男イメージもあり、つい格好つけて涼になかなか本心を言えない。


対抗:泉友貴
颯馬の先輩消防士。デキるチャラい優男。じれったい涼と颯馬の関係に火を付けるかのように、涼に接近して二人を煽る。


評価
倫理観:A
強引な展開は従来どおりだが、女性が押しには弱いが強気なために、男性優位のアンバランスさが薄れているように思える。仕事中や公共の場で行為することもあるが、特筆して引っかかる部分はない。わたしがいい加減麻痺している感は否定できないが、倫理観高めの作品であるように思える。
消防士としてのプロ意識も高く、チャラく描かれる人物たちも職務には忠実。信頼できる。


規制芸:B
ただいま消化活動中……♡の毎回変わる一枚絵と、局部隠しの象さん。シンプルだが二種あり嬉しい。最終話で放水中……♡になるのは天晴。


内容:A
上記のように倫理観の高さにより見やすい作品。幼馴染ということで既に関係自体はある程度構築されており、そのためか強引すぎるという印象も薄く感じた。チャラ男な颯馬の純情っぷりも良く、幼馴染同士の純愛ラブロマンスとしてカラッと楽しめる。


総評:A
倫理観の高さ、二種の規制芸、キャラクターの魅力と三拍子揃った非常に堅実な作品。ネタは弱めだが、僧侶入門として申し分ない作品であるように思う。

XL上司。

xljoushi.cf-anime.com
youtu.be
制作:彗星社


登場人物
主人公:渡瀬 咲
貧乏OL。抜けているところもあるが、努力家。ご祝儀貧乏で懐も心も寒いところで応募したXLモニターだったが、ひょんなことから圭介と協力してモニターをすることに。全てがXLな彼に振り回されつつ、言い争いをしつつも惹かれていく。押しに弱い。


相手:須藤 圭介
咲の上司。仕事もプライベートも自他共認めるXLXLモニターにも真摯に取り組むが、同時に咲の頑張りを上司としても認めており、密かに惹かれていた。モニターや陸との勝負を通じて自身の咲への気持ちと向き合い、その想いを伝えることとなる。


対抗:成田 陸
圭介に対抗する第2のXL。チャラ男。咲に惹かれて度々迫るも、なかなか相手にされない。真のXLの称号と咲をかけて、幾度となく圭介と勝負する。最終的には咲の本当の気持ちを確認し、柄でもないと自嘲しつつも身を引く。


評価
倫理観:XL
少々強引なシーンがあるものの、両者の関係は基本的に対等。圭介は仕事にも誠実で、咲が謝ってカバンからXLを取り出す際も注意でき、常識がある。トイレでヤってたりするのでSは出せないが、倫理観もA相当のXL


規制芸:XL
コミカルでXLな一枚絵と、何が何やらわからないXL隠しによるXLな規制。そのスピード感のあるXLさに視聴者も思わず感服。文句なしS相当のXL


内容:XL
コミカルな作りで全く視聴者を退屈させない。テンポがXLな作品であるが、圭介の純情もXLで、ラブロマンスとしてもXL。常にXLな上司として振る舞う圭介が、告白する時は小動物のような一面を見せ、咲との立場が逆転するのには拍手喝采XLと語らうのも天晴だ。
陸もダークXLでありながらも憎めず、作品にスリリングな緊張感を追加した名XL。ストーリーもコミカルさもXL級な本作の内容は、S相当のXL。もちろん挿入歌の「 XL BO$$ 」XLだ。


総評:XL
僧侶枠に新たな金字塔を打ち立てた偉大なXL。ネタだけではなくストーリーの堅実さも評価でき、あらゆる評価点でXLだ。流石にこれは総評もS相当のXL

おーばーふろぉ

overflow.cf-anime.com
youtu.be
制作:彗星社


登場人物
主人公:須藤和志
大学生。白河姉妹とは実の兄妹のように育った。二人を実の妹のようにかわいがっているが、成長した二人の肉体につい欲望を抑えきれない。


相手:白河彩音
白河姉妹の姉。昔は和志をにぃにと呼んで慕っていたが、成長するにつれて素直になれないようになっていた。成り行きから関係を持ち、和志への感情を再確認する。


相手2:白河琴音
白河姉妹の妹。和志をお兄ちゃんと呼び、実の兄のように慕う。おっとりしているが、時に意外と大胆な姿を見せる。成り行きから関係を持ち、和志にこの関係を続けたいとお願いする。


評価
倫理観:B
成り行きとはいえ関係を持ちつつ、時に強引に迫りつつも都合のいい関係を続けるのは「妹として大切に思う」という姿勢からは反しているように思える。がそれほど特別引っかかる部分はないか……僧侶枠を連続して見ているのでもう何が問題かわからなくなってきた……。


規制芸:A
毎回変化するコミカルな一枚絵と、猫の局部隠し。義理とは言え兄妹で関係を持つ背徳感の強い作品スタイルとは裏腹に、優等生な規制芸。


内容:C
じょしおち、洗い屋さんに続く男性主人公×女性ヒロインの3作目。今回も微妙な関係を続けるエンドだったので、感触としてはじょしおちに近い。兄妹のような相手と肉体関係を持つのがドラマの心理的な壁なような気はするが、だいたい行為するとうまくいく。
(想いが)溢れる的なOverflowと風呂をかけているのが1話だが、その後別に風呂が登場しなかったのは残念。


総評:C
今回も、男性主人公×女性ヒロインの流れの作品だなという感じ。この3作からチョイスする際はシンプルに絵柄とか声優さんで選択するのが吉だと思う。

俺の指で乱れろ。~閉店後二人きりのサロンで…~(2020/05/25 追記)

oreyubi.cf-anime.com
www.youtube.com
制作:彗星社


登場人物
主人公:星谷ふみ
一人前の美容師を目指すアシスタント。がんばり屋だが、ドジも多く貧乏な生活の中なかなか芽が出ない。お人好しで、困っているひとがいるとつい助けてしまう性格。眼鏡姿の地味な自身にあまり自信を持っていないが、蒼甫との日々を通じて美容師として、そして一人の女性としての自信を高めていく。押しに弱い。かわいい。

相手:七瀬蒼甫
人気のイケメンカリスマ美容師。なかなか結果が出ないふみの上達に親身に付き合うものの、指に欲情するふみに自身も欲情して関係を持つ。仕事に対する姿勢は真摯だが、時に嫉妬深く強引。その一方で告白する際は真っ赤になる純情なところも。実は幼い頃にふみに救われたことで美容師の道を歩んだのだが、蒼甫本人は気がついていない。

対抗:千葉要
人気の美形モデル。自身の仕事にあまり自信を持てていないのだが、ふみの前向きな姿勢に励まされるとともに、趣味も近い彼女に惹かれてゆく。ふみとの距離は少しずつ近づくものの、ふみと蒼甫の関係を見た彼は複雑な表情を浮かべる。

評価
倫理観:B
僧侶枠スタンダード級だが、蒼甫の姿勢は相手が欲情していそうとはいえ強引である風に感じる。トイレで迫るなど、ふみが反発するまでこうした行為を続けるのは問題か。
あとこれはまあ個人的に気になった点なのだがクレーマーにホイホイ返金したりするのはあんまりよくない気がする……けどクレーマー対応って大変だからな……。


規制芸:C
毎回変化する一枚絵。局部隠しはなし。こちらもスタンダードな印象。


内容:A
自信なさげなアシスタントのふみが、人とのふれあいによって変身してゆく物語。かつてふみに救われたことで「今」がある蒼甫が、逆にふみを導いていく構図が美しい。ふみの前向きさは同時に要をも勇気づけており、彼女の真摯な姿勢によって物語が好転してゆく構成となっていた。地味さの象徴である、かつて蒼甫もしていた丸眼鏡は外されるが、しかし眼鏡はふみを見送る……この演出はアニメオリジナルだそうだが、スタッフの優しげな目線を感じた。
一方で恋模様については指に欲情する事実が強力すぎて、要の歩みが繊細だっただけに逆に少し惜しい気もしてしまうが、これは少し贅沢か。指で乱れるタイトルに偽りなし。

総評:B
主人公のふみが魅力的な作品だったな、という印象がある。ほかも変に尖ったところも少なく、ストーリーもなかなかよく、絵柄も柔らかめだと思うので、スタンダード僧侶枠としての地位を確立できそうだ。

巨人族の花嫁(2020/08/31 追記)

kyojinzoku.cf-anime.com
youtu.be
制作著作:彗星社


登場人物
主人公:水樹 晃一
高校生。バスケ部のキャプテンとして男女問わず人気の好青年。しかし、過去の出来事から孤独を非常に恐れてもいる。大学受験を控えたある日、突然巨人の国タイルダントへと連れてこられた。何もかも違う異世界に戸惑いつつも、献身的なカイウスの姿に、徐々に心を開いてゆく。


相手:カイウス・ラオ・ビステイル
巨人族の第一王子。神託によって婚約者と離れ離れになった彼は、それでも自らと結ばれるべき人物を求め、失われた異世界召喚の技術を追求していた。"繁栄の概念"を持つ巨人族は、性にもおおらかであり、召喚が成功した歓びのあまり、いきなり晃一と性交してしまう。その後は怖がる晃一の姿に反省し、彼を誰よりも強く守ろうと誓っている。


対抗:バロ・バロウズ
獣人の戦士。"欲望の概念"を是とする獣人の彼は、晃一を人身売買し大金を得ることを目論むが、カイウスに打ちのめされる。晃一の毒を中和するための果実を持ってこさせられた彼は、果実を食す二人の姿を見て、かつて家族から聞いたとある伝説のことを思い出す。


評価
倫理観:A
いきなり異世界から呼び寄せた相手を犯すのは当然晃一も恐怖する恐ろしい行為。とは言え"繁栄の概念"により現代の日本人と違う価値観を持つ巨人であるならば仕方がない部分もある。むしろその後は反省し、晃一のために尽くしているのは異文化にも理解があると言えるだろう。外でキスをするなど多少大胆なところはあるが、愛嬌か。


規制芸:A
毎回晃一とカイウスの1枚絵の観光シーン。芸としては最低限だが、毎回センスが良く楽しませてもらった。

内容:S
僧侶随一のシナリオ派。毎話緊迫感のある引きが先への視聴意欲を掻き立てる。両親を失った晃一の孤独という苦悩が絡みつつ、二人が愛を育んでいく様は非常に暖かい。異世界故に設定絡みの開示という面白さもあったが、5分という短い時間でよくも過不足を感じない程度に説明を散りばめたものだ、と感服する。最終話の果実の下りも、"異世界"や"異種族"という要素から「本来離れているものが繋がることの希望」といった締めで非常に美しかった。異世界ということもあり同性愛への戸惑いや抵抗といったものは薄めで、そして現代の価値観においてはその姿勢も全くもって有りだとは思うのだが、更にその上で「禁断の愛」といった要素も少し触れてみるという、この構成力は隙がない。正直言って、30分作品で見たいと思わされてしまったほどである。


総評:S
シナリオで魅せるだけでなく演出もよく、純粋にアニメーションとして完成度が高い。異世界ファンタジー僧侶、果たしてどうなるかというところだったが、巨人のデカさにも負けないぐらいにデカくて偉大なアニメだろう。


さいごに

いかがだっただろうか? あくまでこのレビューは私の判断によるものなので、ぜひ未視聴の作品も自分の目で確かめて欲しい。
次の僧侶視聴者はキミだ!
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それでは、 みなさんにも仏道(僧侶視聴への道)の祝福があらんことを。