日陰の小道

私のロジックは私みたいな話をしたりします

2019/06/28 『GRAPEVINE tour2019』 at Zepp DiverCity 感想

f:id:cemetrygates1919:20190717023544j:plain

GRAPEVINEのライブに来たのは結構久しぶり。いつだったかはうろ覚えだが、最後に行ったのはNHKホールとかだったような気がする。
なんとなくしばらく最近のは追えていなかったのだけれど、特に意識をしたわけではないが気がつくと偶然TwitterのTLにバインの話題がぽつぽつと増えて来ていて、ちょっと興味が湧いて最新作の『ALL THE LIGHT』がちょうど発売していたのでなんとなく購入して聞いてみた。そしてすぐさまライブチケット抽選に応募することを決めた。


セットリスト

  1. こぼれる
  2. Alright
  3. FLY
  4. Reason
  5. 雪解け
  6. Asteroids
  7. リトル・ガール・トリートメント
  8. Big tree song
  9. スカイライン
  10. ミチバシリ
  11. 弁天
  12. 開花
  13. 夏の逆襲 (morning light)
  14. Era
  15. Good bye my world
  16. I must be high
  17. 棘に毒
  18. God only knows
  19. 光について
  20. すべてのありふれた光

アンコール

  1. Reverb
  2. 少年
  3. smalltown,superhero
  4. Arma

感想

まずはGRAPEVINEのメンバー3人がまず登場し、最新アルバム曲の『こぼれる』から静かに粛々とスタート。こういう空気のバンドだよな、と改めて思い出す。最少人数のGRAPEVINEによる最小の音数で奏でられる曲が、いい具合にふわふわと浮遊感を感じさせ心地よい。サポートメンバーも登場しつつ続けて披露される先行配信シングルの『Alright』はホーンの音なんかも加わり非常に派手でノリが良い曲。更にバンドでは初のセッションで作られた曲である『FLY』と来ればもうグルーヴの渦に完全に最高になってしまった。ライブは終始MC含めてゆるい雰囲気だったが、演奏となると隙のない演奏で長年歩んできたバンドの貫禄を感じさせる。

MCでいうと、はじめの方でGt/Vo田中和将は「自由に聞いてくれたら良い」というような旨の内容を話していた。「大切な人を思い浮かべるもよし、嫌いなやつも呪うもよし……とユーモアを交えて話されるその言葉に、数年前もそんなことを言ってくれていた、そんなバンドだったなと記憶がフラッシュバックして、なんだか久しぶりに見た変わらない姿に、無性にとてもうれしくなってしまった。多彩な曲を聞きながら、彼らと密かに自分の歴史を思い返したりする。収録ミニアルバムがとても好きだった『Reason』はアウトロがたっぷりと追加され、各パートの掛け合いがライティングとともに緊張感のある姿でライブで生まれ変わる。『リトル・ガール・トリートメント』なんて今じゃ多分こんな路線はやらないだろうなという歌メロ中心の初期の曲だけれど、これまた今改めて聞くと良かったり。かと思えば『Big tree song』は恥ずかしながら把握できていない最近の頃の曲だったが、不思議な構成にすっかりと虜になってしまった。過去を引き出されつつ、そしてまたより新しく知った彼らの姿にどんどん惹かれてしまう。

『夏の逆襲 (morning light)』『Era』の流れは一つの個人的ハイライト。真夏のストレンジランドも丁度熱心に聞いていた時代の思い出のアルバムなのだが、「あの夏を超えるぐらい……」のリフレインを響かせながらかつてに想いを馳せていたところで過去をゆっくりと懐かしむ歌詞である『Era』がぶっ刺さる。これはもしかして自分のための曲順なのでは? と思わず身勝手な錯覚をしてしまうほどである。
そして、そんな「過去」と「今」の対比があった箇所として当然触れざるを得ないのがクライマックスの『光について』と『すべてのありふれた光』だった。光を冠した新曲が来れば当然連想されるこの初期の名曲、ファンの間でも幾度となくその関係について語られているのをインターネットで観測していたが、まさかここまでストレートにつなげて繰り出してくるとは。『光について』では薄暗く本当に地味だった照明は、ラストの「僕らはまだここにあるさ」の言葉と共にぱっと全てを照らす眩しい光へと変化し、そのまま白い光の中『すべてのありふれた光』によってかつての「光」を懐かしむ構図へと変化する。多種多様なカラーでステージを彩っていた照明だったが、この極めてシンプルなただ照らすだけの優しげな光は、どんなライティングよりも心に強く響いた。「ここで待ってるよ」と客席に向かって大きく腕を広げてみせる田中和将の姿が目に焼き付いている。
今までも、少し離れていた時間も、そしてこれからもきっとGRAPEVINEは僕らに寄り添う音楽を奏でてくれていたのだと実感してしまった。そしてその後のアンコールではあろうことか『smalltown,superhero』が流れるものだから、もう自分はこのライブに過去から今から全部を感じて、すっかり完全になってしまった。このタイミングで、このライブに来ることができて本当に良かったと思う。


From a smalltown(通常盤)

From a smalltown(通常盤)