日陰の小道

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【ガルラジ】徳光PAと白山市を訪れた結果、完全におれは手取川海瑠になってしまった

唯一訪れていなかった徳光PAだけれど、帰省のついでに行ってきた。いやー(かつて)住んでてよかった北陸地方
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徳光PA


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富山から訪れたので上りから。こちらも入ってすぐに二人のポスターがお出迎え。多分ガルラジのことを何も知らずに遭遇する人も多いと思うが、聴取のきっかけになったりしたらいいなあ。


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ガルラジの拠点では徳光は唯一のパーキングエリアで、やや規模が小さめ。コンサルジュも設置されていないため、普通に売り場に設置してある。
最も異なるのは、カードと一緒に配置してあるのは海瑠のものだけで、吉田さんは別の場所に配置されている。今回は棚の上で見つけたが、他の報告を聞いていると場所が変わったりもするとか?
なんだかフラフラしているのが吉田さんっぽくて微笑ましい。


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チーム御在所セカンド第2回の徳光からのクイズで登場した金沢市ゆるキャラ、ひゃくまんさんの商品も。ガルラジは放送の度にチェックするポイントが増えるものだから気が抜けない。
ちなみにひゃくまんさん、昔金沢を訪れた時にかなり推されていたので珍しく自分が答えを知っているクイズだった。
余談だが、この右側の「なんでやろ。」というとガルラジでも頻出の8番ラーメンCMの決り文句だが、カレーの商品まで出しているのは知らなかった……。
youtu.be

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こちらは下り。ポスターは二階席に設置してある。
それにしてもどちらも金澤8キッチンと言う名のフードコートが思った以上に施設の大部分を占めていて驚いた。ガルラジを聞いているといくら北陸在住チームとは言えあまりにも8番推しが強くないか? と少し思っていたのだが、この状態ならなるほど納得という感じだ。
8番らーめん、たしかに北陸県民には馴染みが深いローカルチェーンだが深すぎる故にそこまで推すイメージがなかった。自分にとってはすき家とかマクドナルドとか餃子の王将とかココスとかと同列に8番らーめんがあるだけなのだ。確かにローカルと知った時は自分も驚いたが、みなさんもちょっと都会に出た時にマクドナルドが存在しなかったら結構驚くだろう?


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そしてこれは写真を撮る前に間違えて胡椒を振ってしまった塩ラーメン。


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徳光PA松任海浜公園と隣接しており、下りからすぐそこが海岸という嬉しい立地。施設の屋上は展望台となっており、日本海を一望できる。


さて。せっかくPAを訪れたので特に行き先を決めてはいなかったがふらふらと近隣の町並みを見物することにした。

白山市を訪れて

白山を訪れて正直驚いた。あまりにも雰囲気が自分の富山の故郷と似すぎていたからだ。
おそらく、日本の田舎の風景として白山もそこまで珍しいものでもないのだろうとは思う。それにしても、北陸隣県で、河川流域に扇状地を形成し、その川を中心として山から海に至るまでの流れをまるっと抱え……などというとどうにも他人ごととは思えない。いや、金沢のベッドタウンとして石川第二の人口を誇るらしい白山市は、自分の地元よりも規模が大きい町なのだろうとは思うのだが。
一軒家が密接して立ち並ぶ住宅街からくるりと回れ右をしてみると、とたんに視界のほぼ一面が水田となる。自分にとっての「日本の田舎の夏」というイメージがそのまま形作られたような光景。海沿いを走る道路。右を見れば日本海の海が見え、左を見れば北アルプスの山脈が見える。少し移動すると現れてくる、車での移動が前提で考えられた大型ショッピングセンターやスーパーマーケット……。
これはそういうものなのだとお伝えするしかないのだが、どこまで行っても自分のかつての見ていた町すぎて、そして自分が子供時代を、中学生時代を過ごした土地そのまますぎた。それはとにかく衝撃的で、完全に手取川海瑠を他人だと思えなくなってしまった。正直に言うと、都会に憧れる手取川は俺そのものではないか、という感覚すら今はある。コミックでヘルメットを被り田んぼをバックにする手取川を見た時から、なんとなくのシンパシーは感じていたが、よもやここまでその舞台を訪れた時に「懐かしさ」を感じるとは思っていなかった。
白山もどうやら積雪がそこそこある土地らしい。手取川、お前も冬になるとあの重くどんよりとした雲の下で、北陸特有の少ない日照時間の中暮らしながら、雪対策の消雪パイプからの水でびっしゃびしゃになった道を歩いていたりしたのか? だとしたらそんなの、ガルラジストの中でも、たぶん一番おれのような人間が、お前のことを理解するべきじゃないか。

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車から眺めた白山市の風景。


白山の町並みを実際目にすることで、手取川が感じているのであろう田舎の閉塞感や不便さみたいなものが一瞬で頭ではなく心で理解できてしまった。ガルラジストのオタクの皆から聞こえてきていた「徳光で得られる質感は格が違う」などという話は、今に至るまでは正直言って半信半疑だったのだが、確かにこれは(自分の場合は個人的な体験を多分に重ねているとはいえ)一度見ておくとかなり彼女の感情がつかみやすくなるのではないかと自分も思う。
もはやキャラクター理解なのか、もともと自分の抱えていたものなのかもわからない北陸の片田舎への怨嗟と郷愁が混ざりあった感覚を、手取川の感情として理解した気になってしまっている。車社会は中学生にとっては不便なのだ。大人と比べて格段に狭められた行動範囲はそのまま町全体に対する解像度の低さになり、中学生にとって「なにもない」田舎を作り出す。
価値観の若干の違いこそあれ、これがバイクを走らせることのできる吉田文音の場合はまた違ってくるのだろう。車やバイクのために作られた整備された道路とだだっ広い駐車場によって、様々な商業施設などへのアクセスの良さが段違いになってくる。更に白山市の位置も絶妙で、きっと車やバイクならば県庁所在地の地方都市、金沢市もすぐそこという感覚になるのだろう。しかし自転車がメイン、仮に電車が使えるにしろ運賃があまりにも所持金に対して大きい中学生にとっては、おそらく金沢はもっと遠い場所なのだ。15kmほどを自転車で走り抜けるらしい手取川の根性には頭が下がるが、それにしても近いと言うには自転車は手間過ぎる。
自分の場合は街への距離はもっとあったので、自転車で行けなくもない分恵まれていると言ってもいいのかもしれないが、それにしたって遠いものは遠い。
そして結局自分が住んでいるところ自体は都会とは程遠いのだ。日が落ちると街灯もまばらな場所は途端に物寂しい暗闇に放り出される。一面の水田にはカエルばかりがいて賑やかといえばそうかもしれないがとにかく喧しい。田舎にはのんびりとした時間があるといえば聞こえはいいが、町の発展に停滞を感じてしまう。中学生の頃の自分も手取川と同じような都会への憧れは、きっと感じていたような気がする。


個人的な話になってしまうが、きっと自分は手取川海瑠と吉田文音の中間ぐらいの価値観なのだと思う。
確かに、子供の頃は都会へのあこがれがあった。ただ自分の場合は地元から離れすぎるのもなんとなく不安感があって、初めて親元を離れ一人暮らしをしたときは近隣の県の地方都市に移った。そのぐらいでも駅前あたりの発達は自分の地元とは比べ物にならなかったし、車という足がなくともそれほど不便はなかった。色々あって結局東京近郊に今は移っているのだが、ともかく当初の感覚としてはとにかく「不便な田舎」から脱却できればそれで十分という気持ちだったのだ。


都会は確かに色々なものがある。電車による交通が発達しきっていて移動には困らないし、様々な店も、多種多様な催しも行われる。憧れなど特になくとも刺激的で楽しい街なのだ。
実際今帰るつもりはないのだが、しかし吉田さんの言うこともわからなくはない。住めば都、ではないが地元だって悪いところではないような気が今はしてきている。
それは、多分何も見えなかったあの頃よりも目線が高くなってしまったからかもしれないし、そして何より離れたことで今まで呪詛ばかりを吐いていた地元田舎は「故郷」という愛着のある場所に感覚が変化してしまったのだ。都市での生活に慣れると、当然その利便性は依然として捨てがたいものではあるのだが、しかし憧れというヴェールが日常の慣れによって取り払われると、それはかつてどうしても手に入らなかった貴重なものではなく、純粋に田舎の利点と比較した上で同じ天秤にかけられる程度のものになっているような気がする。だから多少利便性に目を瞑っても地元の人間関係なんかに価値を見出している吉田さんが白山のことを魅力的に思うのは理解できるのだ。


地元に帰るとやはり不思議な安心感がある。あの頃は正直つまらなくて退屈だとばかり思っていたあの町が、今の自分にとっては掛け替えのない光景でもあると感じてしまう。地元を離れてそれなりに久しいが、しかし自分が都会の人間になったという感覚はなく、今でも気持ちでは富山の人間だという感覚がある。これはもはや自分にとっての子供時代というあまりにも貴重な時間をあそこで過ごしてしまったので、覆らないものなのかもしれない。別にそれが不快というわけでもないが。
白山市の光景が心に刺さったのは自分の故郷のそれと重ねてしまったというのはあるが、もう一つ重要なのは手取川海瑠にとってのここが他のチームとは明らかに違って、戦うべき戦場でもあるからだ。個人的な感情を抜きにしても、このロケーションの絶妙さには唸ってしまう。
果たして海瑠は将来的にここを離れるのか、それともここに留まるのか。吉田文音との出会いは彼女にとってどんな意味をもたらすのか。
どうなるかも、そして自分はどうなってほしいのかもよくわかっていないが、ただ彼女が悔いのない選択ができますようにと祈らずにはいられない。手取川海瑠は、多分かつての俺でもあるから……。

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PAエリアからの夕焼けが非常に美しいとのことで待機したのだが、この日は台風が近づいているということもあり雲が多くほとんど見ることができなかった。また来ようと思う。


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手取川 大吟醸 吉田蔵 720ml

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