日陰の小道

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【萌え学】『咲う アルスノトリア すんっ!』のWMSランクの測定

みなさんこんにちは、萌え博士の末茶藻中です。


日々萌えの研究に勤しんでいる皆様にとって大きな萌えの源泉になるものといえば、やはり今期アニメでしょう。今期(執筆時は22年夏アニメ放送中)にも芳しき萌智をくすぐられる様々研究しがいのある萌えアニメが放送されています。
皆さんも『ルミナスウィッチーズ』を見て「テイクオフ!!!!!」と絶叫したり、『プリマドール』を見ながら「みゅみゅ〜!」と鳴いたり、『Extream Hearts』でハイパー萌えアニメ視聴をされていることと思います。


そんな萌えの豊作と讃えられる今季においても、ひときわ存在感のある作品について本日は語っていこうと思います。それは『咲う アルスノトリア すんっ!』です。
arsnotoria-anime.com

『咲う アルスノトリア すんっ!』の構造について

非常に可愛らしい絵柄が目を引く本作ですが、本作の大きな特徴として「騎士」なる恐ろしい敵性存在が登場する点があります。OPでもサビの部分で恐ろしげな風貌の騎士と戦う場面が描かれています。

『咲う アルスノトリア すんっ!』OP


萌えアニメシーンにおいて、「かわいらしいキャラデザ」と「命の危険がある緊張感のあるストーリー」のギャップというのはそう珍しいことでもありません。例えば10年代指折りのヒット作となった魔法少女まどか☆マギカは『ひだまりスケッチ』などで知られる蒼樹うめ先生の丸くキュートな絵柄と、死者/怪物化を伴う魔法少女としての危険な戦いというギャップの刺激により多くのアニメファンを夢中にしました。まどマギ脚本・シリーズ構成の虚淵玄氏はこのヒットにより氏の存在を更に世に知らしめることになりました。


咲うアルスノトリアをリリースしているニトロプラス虚淵氏が代表取締役を努めており、その氏のイメージなども相まって「ニトロプラスといえば…」と会社そのものに緊張感のあるシリアスなシナリオ展開を予感させるイメージが定着している、という反応が時々インターネット上でも見られます。

dengekionline.com


現に本作はそうしたゲームでは「騎士」という存在と戦う展開もあるようで、こと萌えとシリアスのギャップという面ではまどマギフォロワーとしての側面がある、と考えても差し支えないのではないでしょうか。


私がアニメを見始めた段階では本作のことをほとんど知りませんでした。そんな中で見たアニメ一話では女の子が可愛らしくふわふわとした会話を繰り広げる「学園パート」と、恐ろしげな男性の騎士が人々を殺害する様子が描かれる「騎士パート」が別々にあり、恐らく本作も仮初の平和が騎士によって引き裂かれていくような悲劇的な話になるのでは……と当初予想していました。
アニメーション的にも「学園パート」に比べて「騎士パート」はかなり彩度の低い画面となっており、シネマスコープ風の横縦比変更の演出、ゲームが元ネタの「warning」の文字など、明らかに空気感の違うものとして作られています。


ですが現在8話まで見た段階でもこの「学園パート」と「騎士パート」が本格的に交わる様子はありません。「学園パート」は本格的な「悲劇的展開」という華々しい舞台のための緞帳というわけではなく、それそのものが舞台のメインディッシュと言わんばかりに上映され続けています。


すなわち、この作品を見るとき、視聴者は「騎士パート」によりガラリと雰囲気の変わることへの緊張感を保ちつつ、しかし作品としては主に「学園パート」で女の子たちによる弛緩しきった会話を楽しむことになります。どちらがこの作品の軸となっているのか定まらないままに、萌修行者は萌え萌えしていくことになるのです。
これは意外となかなかないアニメ視聴体験であり、この構造が本作を萌え学にとって極めて重要な研究対象としています。

『咲う アルスノトリア すんっ!』とWMS

前置きが長くなりました。ここからが本題なのですが、ここまでの解説でこの作品がワーニング・モエフィラキシー・ショック(英:Warning Moephylaxis Shock)を極めて頻繁に誘発する作りになっていることがおわかりかと思います。

ワーニング・モエフィラキシー・ショック(WMS


萌えアニメーションを見ている際に、非萌性物質との接触によって起こる反応。
Warningの名の通り死に至ることもある、人体にとって極めて危険な反応である。


(広辞萌 第七版 より)


WMSの特徴として、非萌性物質接触時の体内の萌指数との差が大きければ大きいほど、大きな反応が起こるという点があります。つまり「とある話数までガチで萌え萌えのブヒアニメーションだったけどある地点からシリアスな作風にスイッチする」といったアニメではそのスイッチの瞬間には極めて大きな反応が出ますが、それ以降はWMSの危険は低いと言えます。


一方で『咲う アルスノトリア すんっ!』ではこの萌指数の差は毎話発生しています。これはかなり挑戦的な作風と言えます。「騎士パート」の冒頭に「warning」の表示をインサートするのも、このWMSの危険性を視聴者に示しておくという意図があるのでしょう。
この作品の果敢で挑戦的な試みによって、みなさんにWMSについてのことを身近に解説することができるでしょう。


各エピソードのWMSランクの測定

今回は被験者に協力していただき『咲う アルスノトリア すんっ!』を視聴したときにどのようなショック反応が出るのかということを見ていただきながら、各エビソードのWMS危険度ランクをS,A,B,C,Dの五段階で解説していきます。


※今回は万が一の事態に備え、医療機関と連携して重篤WMS反応に迅速に対応できるよう、万全の準備をして実験に取り組んでいます。医師からWMSについて注意されている方の、過度な非萌物質の接触にはくれぐれもご注意ください。

第1話『すんすんすーん』

アルスノトリア・メル・小アルベール・ピカトリクス・アブラメリンの5人は、今日も〈あの部屋〉に集合!いつも通りの楽しいお茶の時間ティータイムと思いきや、スコーンの食べ方を巡ってひと勝負することに…!?


(公式サイトストーリーより)

<アバン>


ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
すんちゃんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすん

博士:1話冒頭から非常に萌効率の高いアニメをやっていますね


<A>

ここのトリちゃんの頭ッ!!!!!!!

え!?!? 学生服じゃなかったらおヘソ出してるのエッチすぎませんか!?!??!?!?!

博士:おへそを出しているという情報を出すことで、制服の上からお腹を見せただけで視聴者がおへそが気になってしまう、というカットはかなり巧みな演出です。

博士:ただ出してしまうとエロ、しかし奥ゆかしければ萌えですからね。


博士:ここは萌えエネルギーの利用で飲み物を温めていますね。


博士:さて、視聴者にとってはまだ謎の多い世界観ですが、ナレーションではなく人物の台詞によってこの世界観を感じさせようという姿勢が見て取れますね。そのためか気にしすぎると少々説明口調かなとも感じますが、わかりやすさと自然さのバランスを模索した結果でしょう。
世界観のみならず、人物の造形に関しても「今日のお茶って?」「アブちゃんが入れてくれるです」「ちょっと濃い目かー」といったやり取りなどから、物語の人々にとっては1話のここはスタート地点ではなく、あくまで視聴者が観測を始めた地点であり、この世界はずっと過去から連続して今がある……ということを感じさせる作りになっています。
作中ワードが全くわからないので「生徒会長=ポップ」みたいな表示を思い切って画面に一瞬映してしまうのは苦肉の策といったところですね。ただ作中の本や看板などの文字でさり気なく説明しようとしてわざとらしくなるよりは、視聴者にだけ向けて文字を出してしまうのは作中の世界の箱庭感を崩さない演出だと思います。総じて良質な萌えアニメだったと言えるでしょう。


<B>

お茶飲みながらビンのフタ開けるだけの話をやってるの、萌えでありますなぁ……。

博士:ここは引き続き良質な萌えが吸えるパートですね。

トリちゃん、俺が虫から守ってやるからな……。

はぁ、アルスノトリア、いいアニメだったな……


……



!?


ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ウオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヒュー……ヒュー……


博士:今回の被験者はノンポリアニメ視聴が信条でしたが、「1話で騎士が登場した時に、思わず『萌えアニメに男を出すな』という強い気持ちに襲われてしまった。俯瞰できていなかったら本当に危なかったと思う」と語っています。これは典型的なワーニング・モエフィラキシー・ショックの症状の一つです。
今回はたっぷりと学園パートで萌えを吸引した後にいきなり騎士が登場するわけですから、その落差によりWMSを発症してしまう人は少なくないでしょう。危険なエピソードであると言えます。


第1話『すんすんすーん』
WMSランク:A(危険)

第2話『ぎゃ―――――――!!!』

いつ現れるとも知れない〈蟲〉から学園を守るため、本日の〈防除係〉を行うことになったアルスノトリア。メル・小アルベール・ピカトリクス・アブラメリンも手伝いに駆けつけ、協力しながら係活動を進めていく。しかし教師の影猫ペルデラの一声で、学園内は大騒ぎ!?


(公式サイトストーリーより)

<アバン>

萌えキャラの髪の毛が変化するやつ本当に素晴らしすぎる。早く人間も髪の毛を変化させられるようになって完全な生物に近づきたい。


<A>


この変な幽霊みたいなやつは?(ヒリ…)

博士:体格が変わっているのでやはりこの人がアプリの俺くん先生なんでしょうか。前回のワード解説の手法もそうなのですが、変わったところで大胆な演出でごまかすアニメだなという気がしています。連携魔法術の授業ってアニメだとまだ出てきてないですよね。


むっ!!!!!!!!!!!!!!


吊られる萌(ハングドモエ)


出しているな、おへそ……。

博士:今回も世界観の提示+日常風景の描写という感じですね。蟲が来ると騎士が来てしまうので、蟲よけの護符などを貼る係があるようです。

!?


ぎゃ―――――――!!!


博士:2話にして早速かなり本編と接続されている感のある「騎士パート」が来ました。「騎士の恐ろしさの語り」→「別空間での騎士パート」→「騎士を呼ぶ蟲の登場」という流れでかなり緊迫感を煽っています。果たして騎士が来る前に蟲を排除できるのか……という感じにBへと移行します。


<B>

萌えナリ~

博士:「蟲」は黒い煤のようなものを残しているようです。先程の「騎士」も黒いもやのようなものを出し兵士を窒息させていますから、作中の「蟲」と「騎士」の話の通り両者を接続させようという意図が見えます。


萌えナリ~


お掃除スタイルも萌えナリねぇ……。


博士:結局今回の「蟲」の正体は汚れた精霊でした。「蟲」の危機はミスリードということで一旦落ち着きましたが、視聴者に「騎士」と「蟲」の関係及びその恐ろしさをキャラクターの反応によってしっかりと伝えようとする回だったのではないでしょうか。
お茶の部屋に戻ってきて、お腹の虫の会話が飛び出します。「蟲」は騎士を呼び込む恐ろしい外側のものから、内側の日常の中でのちょっぴり避ける(お腹の虫は聞こえると恥ずかしい)程度のものにレベルを下げられて、平和的に締めです。「騎士パート」の緊張はひとまず去ったと言えるでしょう。
全体的に「蟲」が絡むため緊張感のあるエピソードでした。その分落差は少なかったと思われます。


第2話『ぎゃ―――――――!!!』
WMSランク:B(やや危険)

第3話『すーん……』

ある朝、〈匂い〉が分からなくなってしまったアルスノトリア。それに気づいたメル・小アルベール・ピカトリクス・アブラメリンは、アルスノトリアの嗅覚を取り戻すため”すごい匂い”を集めてショック療法を試みることに。


(公式サイトストーリーより)

<アバン>

騎士パート、こんな序盤で!?


サーッ……(ショックで塵になって消える)


<A>

すんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすん


すーん……?

博士:作中で「すんすんしていいですのよ」ってセリフ出ることあるんだ。何かしらの要員によってトリちゃんが匂いを感じないようになってしまいました。このままではただの「咲う アルスノトリア」になってしまいます。

トリちゃん!!! 年中鼻炎の俺が鼻対策の薬を用意してやるからな!!!


埋もれる萌(ウモレルモエ)


吊られる萌(ハングドモエ)

博士:トリちゃんの危機のために友達が奔走するAパートでした。微笑ましいですね。


<B>


すんすん……(萌えを嗅ぐ俺)


ピカちゃん、臭い虫は俺が……まぁ……なんとか頑張って退治してやるからな……。

博士:トリちゃんの鼻を治すために様々な臭いものを集めますが、なかなか改善しません。皆はトリちゃんを心配して部屋までやってきて騒がしく遊びますが、そんな中気がつくとトリちゃんが「お日様の匂い」を感じます。


え、普通にめちゃくちゃいいシーンすぎる……。質アニメ?


博士:今回はトリちゃんの鼻が掘り下げられるエピソードでした。トリちゃんの鼻は普通の匂いを感知しているわけではないようなので、おそらく冒頭の「騎士」が残した、いわば「死の匂い」がする灰を感知してしまったために鼻が効かなくなってしまったのではないでしょうか。WMSによる五感の欠如もありえますので、非萌性物質の危険性が示されたエピソードとも言えるかもしれません。
ひたすら臭いものを集めて嗅がせて騒ぐだけのエピソードですが、それだけに様々な匂いが集められていく流れで、同じく様々な優しさが友達の間で垣間見えるのが非常に暖かいエピソードです。3話にしてこのアニメの方向性を示すことに成功した回ではないでしょうか。


第3話『すーん……』
WMSランク:C(注意)

第4話『リ―――ンゴ――ン』

今日は〈夜の特別授業〉の日。アルスノトリアたちは、真夜中の校舎を楽しみながら、魔法植物学の実習を受けるため学園長ソローのもとへ。月明かりに照らされた温室にいくと、そこには見たことのない光景が広がって…!


(公式サイトストーリーより)


<アバン>

博士:今回はよふかしアニメのようですね。


ソシャゲアニメ特有の「多分この子達ネームドなんだろうなあ……」って萌えキャラが出てくるの好きだね。


<A>

夜ということで、月明かりに照らされた印象的な撮影が出てくるのがいいですね。

博士:窓の多い廊下のロケーションはこの作品も印象的な絵が出せるということで気に入っている感がありますね。


いろんな萌えキャラが出てくるでありますなぁ……。


月明かりの部屋で急に踊りだすのなんかいいですよね。

博士:このあたりは本当にエピソード的には脈絡がないので、若干視聴者が置いてけぼりになりますが、逆にそうだからこそも彼女たちには彼女たちなりのルールがあるんだなということが伝わってきます。

1アップルパイ>3ビスケット、1アップルパイ>2スコーンみたいな、我々には全然ない独自のお菓子のレートみたいな価値があるのがめちゃくちゃいいんですよね。


<B>

!?


ボォォォ(ショックで萌えずに燃える)



博士:再び「学園パート」です。「騎士パート」の宝箱と「学園パート」の温室の形で接続しているような気がします。「カンパニュラに似てる」「パン?」「それってカンパーニャでしょ?」「鐘ですわ」「リ―――ンゴ――ンリ―――ンゴ――ン」の連想ゲームみたいな会話がいいですね。



メルちゃん、俺がコーヒーを淹れてやるからな……。



え、普通にめちゃくちゃいいシーンすぎる……。質アニメ?


博士「夜でも起きていられる」ということでちょっと特別感があるエピソードでしたね。普段の賑やかさとはまたちょっと違った静謐な雰囲気がある回でした。お話としては「みんないっしょだと楽しい」など、5人の仲の良さ・絆が改めて再確認されたエピソードではないでしょうか。
ラストにはこの作品お約束のお茶会があります。この「普段の営み」でありつつ「夜の特別感」もあるという夜のお茶会は、普通と特別の間にあります。夜という普段と少し違うところ故に、普通の中で見落としてしまう輝きを目を凝らして改めて発見していきます。「昼には見えないがいつもそこにある星」はブルーに染まった特別に淹れられたお茶の中で輝いています。総じて美しいエピソードだったと感じています。


4話『リ―――ンゴ――ン』
WMSランク:C(注意)

第5話『すー……』

今日は〈休日〉!メルと小アルベールは下級生たちと“かくれんぼ”を、ピカトリクスは宿題を、アブラメリンは調べ物をして過ごす一方、アルスノトリアは遅めのランチを一緒にとろうと“ある人”がいる至書塔へ向かう。


(公式サイトストーリーより)


<アバン>

朝のピカちゃんも萌えでありますなぁ……。

博士:今回は前回の話の次の朝からスタートです。


<A>


小アルちゃん、萌えナリ!!!!!!!!!


萌えナリ~!!!

<B>

トリちゃん「すんすん……ハム!」
俺「すんすん……萌え!」


博士:今回世界観的にはレメゲトン5姉妹の掘り下げがされていますね。この緑色のパウリナが3女、トリちゃんが5女ということです。
二人の会話の中では新任教師の話が出てきます。いない間に部屋を使っているそうなのですが、いつものお茶会の部屋って俺くん先生(?)の部屋だったんですね。


萌え空間ですなぁ……。

博士:休日ということで今回は結構皆バラバラに動いているのですが、ラストでトリちゃんがみんなのことを見つけて5人揃うというのがなんだかいいですね。

博士:夕食→夜→就寝という感じでやや大胆に時間を跳躍しつつ、1日が終わります。今回はなんと「ノー騎士」のまま穏やかな1日が終了しました。「騎士」の匂わせすらなかったので本値うに平和な回でしたね。朝から始まり夜に終わる、と楽しい休日を丸々エピソードにしたという構成もユニークで良いです。


第5話『すー……』
WMSランク:D(安全)

第6話『しーー』

学園から出て下界に〈おつかい〉へ行くことになったアルスノトリアたち。 当初予定していた精霊の営むお店だけでは品物を揃えることができずに困ってしまうが、思わぬハプニングから手に入れる方法を思いつき…!?


(公式サイトストーリーより)


<アバン>

みんな「騎士には絶対勝てません! 影を見ても逃げましょう!」
俺「騎士には絶対萌えません! 男を見ても逃げましょう!」

博士:今回なんと外出回です。アバンでも再び強調されているように、学園の外が危険ということはかなり匂わせられているので、なかなか緊張感がありますね。2話で話題が出てきた、騎士にも対抗できる可能性があるという連携魔法術のワードも飛び出します。


<A>


萌えガールがこういうキラキラしてるのが好きすぎる!

博士:最も近場のお店に足りないものがあるようで、もう少し足を伸ばすらしいです。「ロンドンの新聞」は前回のパウリナとのシーンでも出てきましたね。普段は小アルちゃんの姉・大アルベールが外から持ってきてくれるようです。


!!

博士:外出のドキドキ感で被験者も普段より緊張感が高まっていて錯乱しているようですね。「騎士」ではないので安心しましょう。


男に見つかるかと思ってハラハラした……。

博士:見つかると確かにヤバいですがこの男の子は騎士ではありませんのでまだ大丈夫です。錯乱気味です。Aでは無事に問題なく用事完了です。


<B>

今更なんだけど……アブラメリンちゃんの服、エッチじゃないか!?


メルちゃん「犬、かわいい」
俺「お前の方がかわいいよ!!!」


隠れながら覗いている萌えガールが、一番、いい。

博士:お使い回ということもあり、なんだか人里の人のセリフがかなり説明口調でウケます。


博士:1話でも出てきた萌えエネルギーですね。


!?


・・・男がきた・・・

博士:トリちゃん一行らしき話が「騎士」の口から出てきたりと、緊張感のある「騎士パート」です。ただ狂犬さんはあんまり気にしていないようです。犬より萌えガール、狂犬より萌えガールですね。


博士:騎士には見つかることなく、セフィラがうんぬんかんぬんという感じで魔法陣で帰投するようです。キャラのネーミングからしてそうなのですが、いろいろな魔術っぽい要素が散りばめられているようですね。


え!? 追い騎士!?


博士:さすが修道騎士団の狂犬(?)ということで油断ならない騎士パートでした。「蟲」と「騎士」って別に味方の関係ではないんですね。
今回は外へのおつかい回ということで、外の世界とトリちゃんたち学園の関係がどのようなものなのか、ということが少し描かれました。外の人たちにはトリちゃんたちは「ブラウニー」というスコットランドイングランドに伝わる精霊として捉えられているようですね。学園のことがとにかく外部には秘匿されているということがわかります。学園サイドを取り巻く魔法(呪術)的なものといい、異教徒を排斥する苛烈な騎士修道会との対立が強調されています。


第6話『しー』
WMSランク:A(危険)

第7話『ノ~ノ~ノ~』

〈倫敦の新聞〉で読んだ“流行の髪型”を再現しようとするピカトリクス。せっかくだからと、みんなでオシャレをすることに。飾り用の羽根を手に入れるため、アルスノトリアたちは校舎内に鳥の巣箱を置くことを考える。


(公式サイトストーリーより)


<アバン>

これじゃマナがいっぱいじゃなくて萌えがいっぱいだよ~!
博士:「コーンウォール式」から「メルさん式」となるのがいいですね。


<A>

きれいになれるって聞いてびっくりするトリちゃん、萌え!!!!!!!!!!!!!!!!!
拙者アニメの女の子が美容に関心があるとデカい加点が出る侍……。

博士:オタクは自分の美容には全く関心がありませんが、アニメの女の子が美容に関心があると嬉しいとされていますね。


俺たちオタクは鳥さんよりもトリさんだよなァ!?!?!?

博士:羽飾りのために鳥を捕まえよう、というのが今回のエピソードです。


<B>

!?


いや今回の騎士パート長くない……? 画面も明るくてハッキリ見えるし……。


だから俺たちは鳥よりもトリだって言っただろォ!?!?!?(怒)


あ!!!!! トリだぁ!!!!!(喜)


これはモエスンギモエモエガールですねぇ!(萌の専門家)

博士:今回は普段より具体的に画かれた「騎士パート」から、鳥によって繋がれるようにトリちゃんのパートに戻ってきます。否応なしに「騎士パート」と「学園パート」が同一の世界であるということを意識させられますね。アニメで登場した騎士もこれでなかなか多くなったのではないでしょうか。


盛りすぎてるの好きすぎる!


アブピカってことォ!?!?(大声)

博士:「学園パート」はシンプルな話でしたが、やはり今回は「騎士パート」の存在感がありましたね。「鳥かご」のワードはエンディングテーマにもありますし、「鳥かご」と「学園」すなわち「籠の中の鳥」と「学園の中のトリ」とうことで重ねられている気がします。学園側は「騎士」からすれば異端であり、鳥の収集家であった卿も異端側ですからね。果たして卿の屋敷のように、この平和な鳥かごは破壊されてしまうのか……という緊張感が再び少々出てきているようにも感じます。


第7話『ノ~ノ~ノ~』
WMSランク:A(危険)

第8話『わ―――――』

小アルベールが〈行方不明〉!?教室棟へ向かう途中で急にいなくなってしまった小アルベールを見つけるため、学園中を探し回るアルスノトリアたち。すると『教室の壁から謎の声が聞こえてくる』とリデルが大慌てでやってきて…!


(公式サイトストーリーより)


<アバン>

……この風は……


……ドドドド


……ドドドド



萌え萌え戦車(チャリオット)、出撃!!!


<A>

!?

召喚獣メルカバーの効果発動!! 手札の召喚士アレイスターを墓地に送り、騎士の効果発動を無効にして、除外!!!!!

いきなりAパからと騎士の色が色濃くなっているが、俺は負けねえ。最後までデッキを信じるぜ(ドン☆)


メルちゃん、俺が騎士を除外してやるからな……。


今回も鳥より萌えの回かもしれん!

博士:一人はぐれてしまった小アルちゃん。騎士や蟲に襲われたのでは? とみな心配しています。騎士が来てしまうと学園も戦場になってしまう、ということです。


すん!(決意)


すん! です!(肯定)

もうすんの用法が多彩すぎるだろ!


<B>

騎士!? 除外したはずでは!?

warningなしの複数回の騎士襲来はレギュレーション違反だろ!!!


ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーッ(戦闘破壊)

博士:騎士は連れ去られた子どもたちを探しているらしいですが、詳細はまだ不明です。「騎士パート」のきな臭さも強くなっていますね。小アルちゃんを”探す”ということで接続があるかもしれません。


鳥を乗せてる小アルちゃん、萌えナリ~!


萌えナリ~!

博士:トリちゃんだけ聴覚ではなく嗅覚一本でやっているのがいいですね。私も萌覚一本でやらせてもらっています。

ターザンぶるのは萌えすぎる!!!


吊られる萌(ハングドモエ)

博士:ということで小アルちゃんの冒険も無事に完了して、皆で崩落の原因の大量発生したキノコを食べよう! となって締めです。ちょっとした危機は「騎士」を感じさせ緊張を呼び込むとしたら、平和な日常に紐づく食事の話題は弛緩の象徴でしょうか。本格的な危機は今だ訪れていませんが、「騎士」は常に裏で動いているようで、かつ「騎士パート」の存在感も依然としてアニメの中でそれなりに大きいですね。


第8話『わ―――――』
WMSランク:A(危険)

まとめ


各エピソードのWNSランクの一覧

エピソード WNSランク 非萌性シーン位置
第1話『すんすんすーん』 A(危険) B冒頭
第2話『ぎゃ―――――――!!!』 B(やや危険) A末
第3話『すーん……』 C(注意) アバン
第4話『リ―――ンゴ――ン』 C(注意) B冒頭
第5話『すー……』 D(安全) なし
第6話『しーー』 A(危険) B中、B末
第7話『ノ~ノ~ノ~』 A(危険) B冒頭
第8話『わ―――――』 A(危険) A冒頭、B冒頭


こうして見てみると、各エピソードのWNSランクは最低の「D(安全)」となる5話まで緩やかに下降していますが、続いての6話以降は「A(危険)|」と高い水準を維持しています。もし「学園パート」と「騎士パート」がいよいよ交わる事になった時は「S(極めて危険)」になると思いますが、果たして今後さらなるランクの上昇はあるのでしょうか。


さて、ここまで実験結果を見ていただきましたが、皆さんにもこれでWNS発生の構造がいくらか伝わったのではないかと思っています。この条件には「極めて強い萌え」「極めて強い非萌え」の両方が必要であり、これらを携えたアニメである『咲う アルスノトリア すんっ!』は極めて珍しい貴重な事例です。
この作品のWNSランクが今後どう推移していくかはわかりませんが、極めて興味深い萌えアニメとして、今後も引き続き萌え学における重要な研究対象となっていくでしょう。是非皆さんもチェックしてみてください。

おまけ

私はバランス厨なので男性が目立つアニメで面白い今期アニメを紹介します。

シュート! Goal to the Future
shoot-anime.com


かつての漫画原作のリバイバル的作品。
古風でインパクトの強い画面づくりは人を選ぶかもしれませんが、反面とにかく勢いのあるアツい展開を見せてくれることに関しては随一の作品です。「かつての栄光に対して落ちぶれてしまったサッカー部」という設定なのですが、名作のリバイバルという自己言及的な部分も感じさせるこの設定に、しかしもう一度世間をアッと言わせてやろう、という志の高さを感じます。
あなたも気がついていたらアニメを見ながらシュートの瞬間には叫んでいるかもしれませんよ!


神クズ☆アイドル
kami-kuzu.com

漫画原作のアニメです。やる気のないクズアイドルの仁淀くんが事故死した伝説のアイドルアサヒちゃんに憑依されて、クズアイドルと神アイドルを反復横とびするコメディ作品です。
ただのコメディと侮ることなかれ、男性アイドルと女性アイドルという違いにフォーカスしたドラマづくりや、今でも伝説のアイドルのアサヒちゃんの大ファンの人気アイドル・瀬戸内くんがクズ状態の仁淀くんにも惹かれてしまう葛藤など、要素を単なるギャグの設定にとどまらせない変幻自在の巧みさがあります。
オタクあるあるネタに笑って、ふと気がついたら「ファンにとってのアイドルってなんなんだろうなぁ……」なんてアイドルの本質について考えてしまう作品です。アサヒちゃんがかわいいので豚の皆さんにもオススメです。


ちみも
anime.shochiku.co.jp

丸っこくてかわいい謎の生物、ちみも。鬼神家三姉妹のもとに現れたこの不思議な生き物は、実は地獄からの使者で……。ちみもたちを束ねるこわーい鬼の地獄さんも登場して、奇妙な異種族交流・疑似家族のような関係がスタートする、ハートフル・コメディアニメです。
地獄をテーマにするだけあって鋭いブラックなネタや、日常の「地獄だよ~」なんてふと思ってしまうあるあるネタなんかをうまく拾いつつ、姉妹と地獄さんのほんわかとした暮らしに胸が暖かくなります。正直男性が目立つアニメといえばそうなんですけど、地獄さんの性別って語られてないし、ファンシーな絵柄なんですけど三姉妹は全員萌えなので、豚アニメかもしれません。でもあまりにも面白すぎて紹介してしまいました。
くすっと笑えて楽しくなれる、そんな地獄のアニメで今期の「なんか幸せだなあ」って気持ちを拾ってみませんか?