日陰の小道

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映画『バトルシップ (2012:米)』 感想

もうちょっとブログの更新頻度を上げたいのだが、どうにも個人的にカロリーの高い内容ばかりになって一向に進まないので、もう少しカジュアルな話もしたいなあというところで、丁度B級!地上波放送!(ネットで)話題作!みたいな丁度いい映画を見たので感想でも書いてみる。自分は金ローは見れなかったのでAMAZONプライムなのだが(ネットの盛り上がりの波に乗れなくて悔しすぎたので金ロー終了後に見た)

あらすじ

定職にもつかずにその日暮しの主人公「アレックス・ホッパー」は、優秀な能力を持ちながらも喧嘩っ早いのが玉に瑕のトラブルメーカー。警察沙汰まで起こした彼は海軍に所属する兄によって強制的に同じく海軍へ入隊させられる。
パールハーバーでの環太平洋合同演習でも、彼は海上自衛官の「ユウジ・ナガタ」と揉め事を起こし除隊処分を喰らってしまう。しかしそんな折、突如宇宙から5つの飛行物体が現れ、そのうちの落下した1つは香港を始めとする各国都市に甚大な被害をもたらす。残り4つの物体はハワイ近海に落下し、エネルギーフィールドによって外界との交信を遮断してしまうのだった。地球外から到来した人類の脅威に立ち向かえるのは、偶然その場に居合わせたホッパーの乗艦する「ジョン・ポール・ジョーンズ」を含めた3隻の駆逐艦のみとなってしまうのだが……

感想(ネタバレあり)

エイリアン的宇宙人(名称が不明なので『バトルシップ星人』と呼称されたりする)が来訪するSFバトル作品なのだが、前のあらすじ同様正直そこら辺の描写はあまり濃くなく、序盤ではダメな主人公の失敗談を見せられるので正直ダレる感じはある。

中盤で「ジョン・ポール・ジョーンズ」がバトルシップ星人の船と海戦を繰り広げるあたりからは結構エンジンがかかってきて面白いし、退役した戦艦ミズーリに当時のジジイたちを引き連れて乗艦するあたりからの盛り上がりは随一。ここで挿入歌で『AC/DC』の『Thunderstruck』が流れるのが滅茶苦茶いいんだよな。愚直な8ビートのスタイルを貫いたバカなロックの伝導者、AC/DCの有名曲を持ち出していたこの映画、どこまでも大馬鹿すぎる。サンダー!サンダー!のイントロだけで否応なしにテンションが最高潮になってしまう。ここに来て、「バトルシップ」=「戦艦」というタイトルが活きてくるのも良い。
ここからは1tの砲弾を根性で運んでみたり、戦艦ドリフトとかいう船としてありえない動きをしてみたりとアッパーすぎる展開で本当に最高。「だが今日じゃない」を始めとするセリフも気取り過ぎかもしれないがアツくて良い。

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バトルシップ星人に関しては、あまりに経歴に情報がなさすぎる(地球からの信号をキャッチして来訪、人工衛星に激突して通信用の設備を破損する、移住先を探している?など程度)のもあって結局よくわからない。侵略目的にしては敵性生物であるはずの人類をその場で危険がなさそうだったら放置してみたりするし、その割に人が乗っている機械は強力兵器の宇宙仕様パンジャンドラム(これが本当に強くて笑ってしまう)で容赦なく破壊し、大量殺戮してみたりもする。生物としての体系や文化的なものはそこまで人類から逸脱している感じもしないのだが……。
まあとはいえそこら辺の我々の尺度で考える不可解さも、宇宙人の異質さを表していると言えばそう言えないこともない。微妙にコミュニケーションが取れそうな描写から、出会い方が異なれば全く違うストーリーが展開されたのでは……なんて話も囁かれていたりしたが、しかしこれは単純明快海戦ドンパチ映画。未知のテクノロジーを蹴り飛ばして、旧式の戦艦で殴り合うスタイルがこの映画のやり方なのであって、そしてそうした過去への敬意というものはなんとなく全編通じて感じられた。ジジイたちが輝きすぎている。
宇宙航行できるのにこの程度のテクノロジーでぶっ飛ばせていいのかよ! とか思わなくもないが、そんなことは今重要ではないのだ。

怒涛の後半で保っている感じはあるものの、全体を見渡すと最初のチキンプリトーの下りがきっちりオチに活きているし、ナガタとの共闘の熱さも序盤の確執ありきという感じはあるし、兄との関係も主人公の成長の糧になっている感じはあるし、けして悪いものではない……のだがやっぱりちょっと長かったかなと言うところはある。とはいえ総合で見ると非常に頭を空っぽにして見られるエンターテイメント作品という感じで楽しかった。なるほどこれは実況が盛り上がるわけである。次は是非実況で見させてくれよな、あとコマンドーもいい加減放送してくれよな。

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