日陰の小道

土地 Tap:Green を加える。

2019/11/18 SUPERCHUNK JAPAN TOUR 2019 at 新代田FEVER 感想

ちょっと遅くなってしまったがSuperchunk来日公演の感想を。今年トップレベルで楽しかった。

セットリスト

  1. I Got Cut
  2. Reagan Youth
  3. Lost My Brain
  4. What a Time to Be Alive
  5. Package Thief
  6. Out of the Sun
  7. Shallow End
  8. Cool
  9. Hello Hawk
  10. Seed Toss
  11. Break the Glass
  12. Erasure
  13. Me & You & Jackie Mittoo
  14. Skip Steps 1 & 3
  15. Digging for Something
  16. Precision Auto

アンコール

  1. Driveway to Driveway
  2. Slack Motherfucker

感想

久々にこのぐらいの規模のライブハウスに来た気がする。
前日Re:のライブで既に筋肉痛がひどいことになっていた上に徹夜でオタクと飲んだり泥酔したりしていたので、体ボロボロゲインズボロ~もう終わりだみぃ~であった。
特にどんな感じでやるかなどは全然知らず調べておらず、Foolishのアコースティック盤が出ていたので結構しっとりになったりするのかな? などとのんきな顔をしていた。前日がアコースティックのセットだったらしい。

19時あたりに到着すると、自分の番号はもう入れるらしく慌てて入場する。ドリンクを交換してとりあえずのんびり待とうかな、と壁際で思っていると早速NOT WONKの演奏が始まる。そう言えば追加アクトが決まった際に開場時間にやるなどという話を聞いていた気がする。しばらくゆっくりしていたのだが、これがまた迫力のある音をガンガン送り込んできて、つられて気がつくとどんどん中央の方に流されてしまった。Voの加藤氏は言葉少なめだったが、「前座で腕組みの観客とかいるとムカつくなと思ったけど、そんなことなくやっぱりSUPERCHUNKは最高だなと思った」などといったことを話していた気がする。SUPERCHUNKのマックと会話した話などを嬉しそうに語り、SUPERCHUNKへの愛を静かながら感じていた。わたしは初めて聞いたバンドだったのだが、非常にカッコよくて楽しいロックだった。

続いてはHomecomings。「Homecomingsです」と簡単な挨拶をして演奏を始める。ここで『Songbirds』がかかったので前奏のフレーズで一瞬でオタクの顔に戻されてしまい、去年『リズと青い鳥』でけっこうやられてSongbirdsのCDを聞きまくっていたことを思い出して無限に映像を思い浮かべながらオタク・涙を流してしまった。まさかSuperchunkの公演で回収できると思っていなかったのでここはかなり嬉しい。『PLAY YARD SYMPHONY』も演ってくれたし……。先ほどとはうってかわって清涼感のある響きが心地よくってふらふらとリズムにノリつつ気持ちの良い時間を過ごした。
(ここでの両者のセトリも載せようと思ったのだが、わたしはセトリ覚えるのがヤバいぐらい苦手なのでネットに見つからずに参ってしまった……)

さていよいよSuperchunkの出番となる。Mac McCaughan(Gt.Vo)Jim Wilbur(Gt)Jon Wurster(Dr)にサポートのJason Narducy(Ba)を加えた4名。メンバーのLaura Ballanceは2013年からライブからは離脱しており、今回も来日しないとのことらしい。インディー・オルタナバンドらしい洒落ていない出で立ちに安心する。
とそんな呑気な気分もつかの間、去年のニューアルバムからの『I Got Cut』で早速会場もステージもアクティブな空気になってぴょんぴょん跳ね出す。つられて跳ねながら、あっこれは雰囲気思っていたのと違うな? と密かに思っていた。本当に50歳超えてるのか? と驚いてしまうほどステージ中央のマックは誰よりも跳ね回っており、そこには短パン姿のギター少年の姿しか見えなかった。活動休止をはさみつつも、最新作でもずっと常にメロディアスでノイジーで、そしてシンプルなギターロックを貫いてきた彼らの変わらない姿がそこにはあった。ただただすごい。

本当にわかりやすいライブで、自由に頭を揺らし、腕を振って、飛び跳ねて、揉まれて、その繰り返しだった。実はわたしは恥ずかしながらまだまだ不勉強で、『Here's Where The Strings Come In』と『Here's To Shutting Up』だけ数年よく聞いた状態からちょっと前に初期作を購入して、そして他をサブスクリプションで予習したり……という感じだったので長年アルバムを聴き込んだりということはできていなかった。ただしかし、このシンプルな熱狂・熱量の前では知っているか否かは些細なもので(無論思い入れが強ければさらなる感動もあったとは思うのだが……!)とにかく圧倒されて体の痛みも不調も忘れて大いにはしゃいでしまった。快作である最新作の始まりに相応しい前のめりな『What a Time to Be Alive』、彼らの初期作から8ビートの喜びに満ちた『Package Thief』、イントロ激強からエモーショナルなメロディの『Hello Hawk』、「I Hate Music」と高らかに歌う『Me & You & Jackie Mittoo』どれもどれもがただただ楽しくて、これこそがライブの醍醐味だよなというその感情だけで満ちてしまった。『Digging for Something』でサビ合唱が起こった時はこの瞬間を生きるためだけにライブに来ているんだよなという気持ちまで起こった。
これはあくまで個人的な体験なのだが前日全く違うジャンルのライブに参加していて、そして両日ともに良いパフォーマンスを見て気持ちよく盛り上がって、というシンプルな楽しみ方が感じられたライブだった。今年行ったライブはどれも良かったのだが、こうして2つ並べてみてその高揚感に遜色がないというのも、音楽体験の面白いところだよなと思う。

アンコールでの『Driveway to Driveway』ではそのギターリフのただただその格好良さに胸を打たれて涙を流し、『Slack Motherfucker』にてカラッともうひと叫びして終了。繰り返しになるが、本当に頭を空っぽにして楽しんだ、ただその感情だけのライブであった。とにかく最高。惜しむらくは絶対聞きたかった大好きな『Hyper Enough』が聞けなかったことだけ……。次の日ではやったらしい。今回8年ぶりの来日ということだったらしいのだが、頼むからまた来日してくれ~~。

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