- あくまで個人用のメモです。
- できる限り気になった箇所を取り上げますが、全ての差異を網羅するものではありません(媒体が違うので網羅しようとするとあまりにも多くなるため)
- 補足で原作の該当範囲を記します。
第2話「夕焼ロケット」アニメと原作の比較
アバン(オリジナル+原作1巻2話ラスト+原作1巻4話冒頭)
- 自室で日記を書く海果(オリジナルシーン)2話のモノローグ内容をアレンジして挿入している。*1
- 「なんと 一緒に同じ夢(宇宙)を目指すことになってしまった……のである」→「そして、私と明内さんは、なんと一緒に宇宙を目指すことに」に変更。*2
- 「その出会いはあまりに衝撃的で 遥か宇宙へと 私の心を一層強く駆り立てる―」→「その出会いはあまりに衝撃的で、遥か宇宙へと、私の心を駆り立てて……」に変更。*3
- ロケットノートに海果の描いたユウと海果がロケットにまたがるイラストが描かれている(かわいい)*4
- ペットボトルロケットランチャーに対して「大人向けすぎる!」の海果のセリフ追加。*5
- 原作では自室の背景が書かれていないので、印象が変わっている。*6
- 海果が使う検索サイトがGoogleパロディのデザイン(Gooo!!)になっている。「もしかして:自分一人じゃ作れない」もよりパロディとわかりやすい演出になった。*7
- 海果「高校一年の春 海果はちょっぴり大人になった」→「高校一年の春 わたしはちょっぴり、大人になりました」に変更。*8
A(原作1巻4話)
- 海果の空想で飛ぶロケットの向きが逆。*9
- 原作だとさらっとしたおでこぱしーのシーンがちょっと強調されている(星が飛ぶなど)*10
- ユウの「ボナヴー(よっす~)」「マティヴー(おいす~)」は文字演出で「訳:よっす~」のような形で表現。ユウが右→左ににょきっと生えてくる動き追加。*11
- ユウの「そうかな! 宇宙では常識だよ!」とクラスメイトの「はいはい、宇宙人のユウちゃん!」にユウの「信じてないな~!」のセリフが追加。*12
- 海果「宇宙人なのに皆と馴染んでて……」のシーンで自身の手を見て俯く視線の動きが追加。*13
- ユウと遥乃の「ボナヴ~!」「まてぃぶ~!」の位置が左右逆に。*14
- 「とても明るく社交的な副学級委員長さんだ こんな私にも声をかけてくれる まるで地球人の鑑のような存在…」→「とても明るく社交的な副学級委員長さん こんな私にも声をかけてくれる、とっても優しい地球人、さん……」に変更。*15
- 海果「初めて声をかけてもらった入学式の日から 一度も彼女と話せてない」→「初めて声をかけてもらった時から、一度も宝木さんと話せていない」に変更。*16
- 遥乃「先生心配してましたよ」→「海原先生心配してましたよ」に変更。*17
- 遥乃「二人で入ってませんでした?」→「二人で入っていませんでした?」に変更。(演技のニュアンスによるものなのかも)*18
- 遥乃が灯台のことを尋ねるシーンが色々変化。遥乃の言葉の後にチャイムがなり、遥乃「授業が始まっちゃいますね。話はまた後で、ですね!」と退散。海果が妄想でユウがサングラスの男に連れて行かれ解剖されることを危惧する。心配のあまり授業を聞いておらず、海原先生から「まさか先生の授業を聞いてないのかぁ~! いい度胸じゃないか!」と叱られる海果。遥乃の「13行めから読むんですよ」という言葉に救われてなんとか乗り切る海果。海原先生「子ノ星、読みは丁寧で大変よろしい。次はもっと自信もってな」と優しげな反応。遥乃も「海果ちゃん、ファイトです!」と励ますが、海果は「宝木さんにお礼、言えなかった……」と密かに落ち込む。*19
- 改めて遥乃と話すシーン、ここもいくつかセリフや順序が変化。授業終わりに海果に手をふる親しげなユウ。海果「とにかく明内さんに灯台のこと内緒にしなきゃ!」のセリフ追加。慌てる海果*20に対してユウ「何々、新しい遊び? 負けないぞ~!」のセリフ追加。遥乃「お二人は本当に仲良しなんですね」のセリフ追加。ユウの「昨日も私の基地で……」の言葉を隠すようにユウと遥乃を押す海果*21「基地のことが広まったら解剖!」とジェスチャーを試みる海果。*22海果「逮捕されて拘束されて…悪い人たちに…解剖されちゃう!」は先のシーンで挿入されたのでカット*23
- ユウ「海果?」海果「あっ、明内さん……大丈夫、だから」のやりとりが追加。*24
- 遥乃「てっきりお二人が灯台マニアの方なのかと…」の海果とユウの位置が逆*25
- ユウが「目指せ宇宙一の観光スポット!」のシーンで、左手をぴょこぴょこ上下に動かすアクション追加。*26
- 遥乃「ユウちゃんは宇宙人さんですものね」→「ユウちゃんは宇宙人ですものね」に変更。遥乃の向きが左傾きから右傾きに変更。ユウと海果の「わぁ……!」という反応のカット追加。*27
- ユウ「私が宇宙人って信じてくれるの?」のシーン、左中央の位置だった遥乃が右に移動。遥乃「宇宙人さんとお話してみたかったんです!」の向きも右向きから左向きに変更。*28
- 遥乃「地球人と宇宙人が手を取り合って~」のあたりでキラキラした空間をくるくる横回転しながら移動する遥乃のアクション追加(かわいい)*29
- 海果「さっきは早とちりしちゃって……」→「私、早とちりしちゃって……」にセリフ変更。*30
- 海果「あ、ありがと…」のカットでは原作のユウの顔が見えないようになっているが、続いての海果が遥乃に見つめられるシーンでは海果を見て微笑むユウの表情が追加。*31
- 遥乃「授業のときも思ったのですが……」のセリフ追加。「まるで小さな貝殻の~」のあたりで貝殻を持ってくるくる動いて海岸にいるイメージの遥乃など色々と追加。*32
- 海果の「どうしようどうしよう…」のシーンで昔バカにされた思い出や、複雑な計算式が再登場。海果が何に不安を覚えているか、ということがわかりやすくなっている。*33
- 遥乃「皆で宇宙を目指すなんて とっても楽しそう!」→「楽しそう!」に変更。*34
B(原作1巻5話)
- アバン同様の海果の自室のアニメオリジナルシーンが追加。再びロケットについてあれこれ調べ検討する海果。今度は海果とユウに遥乃も加え、ロケットにまたがる3人のイラストをノートに書く海果。
- 翌日の学校、なかなかユウと遥乃に話しかけられない海果のオリジナルシーンが追加。このあたりで紗也のシーンが大幅追加で、遥乃と話したり、ユウとひなたぼっこしたりしている。話しかけられない海果との対比で、二人と普通にコミュニケーションできている紗也がいる。ユウが海果に話しかけようとするも「課題出してないのはお前だけ」と海原先生に捕まってしまう。取り残される海果は「タイミングが……」と狼狽するが「私から話しかけるんだ! がんばれ海果!」と奮起。ところがクラスには誰もおらず「いない……!? もう帰っちゃった……!?」と焦る。そこへユウと遥乃が登場。安堵する海果。「あ、あのっ……!」という海果のカットから、5話冒頭の「ペットボトルロケット!?」へと接続。
- 海果「うちに大きいの…2本しか…」→「うちに大きいの…これしか…」にセリフ変更。抱えているペットボトルは原作の2本から1本になっているが、ペットボトル自体は2本用意されている(直前のカットで2本存在している)*35
- ユウが飲み干すペットボトル飲料、原作では「ブラックジンジャー」という黒色の液体だったが、アニメでは「The Lemon」という黄色の液体に変更。パッケージには「激強炭酸」の文字がある。*36
- 「あと2本!?」で足からずっこけるユウのアクション追加。海果が「炭酸苦手だけど、頑張るっ!」と一気飲みしようとするシーン追加。*37
- クラスメイトの「みちちゃん」「ともちゃん」や「遥乃ー!私にもー!」と話す子が顔まではっきりと描写されている(3人めは原作でもうっすら顔が出ている)ちなみにアニメの遥乃はトレーを使ってジュースを運んでいる。給食用とかだろうか……?*38
- 「海果ちゃんの顔がいつもより真っ赤に……」の遥乃の位置が右から左に変更。*39
- 「トーダイなんてドーダイってね!」のユウの向きが右から左に。遥乃(右)と海果(左)が画面に追加。*40
- 灯台へ向かって海沿いの道を歩く3人のオリジナルシーンが追加。ご機嫌に「ロケットロケット~♪ 遥乃も一緒~♪」などと歌うユウ。海果は「ちゃんと飛ぶかな……」と不安な様子。宇宙人と歌の話題を話すシーンがここで追加されている。遥乃「宇宙人の皆さんも、歌が好きなんですか?」ユウ「うん! この体の奥からメロディーが溢れてくる感じ! きっと宇宙共通だよ! まぁ、自分の星の歌はちょっと思い出せないけど」
- ペットボトルロケット発射の一連のシーン。アニメ2話の山場シーンとなるので、映像として動きを出そうとしている印象がある。「ペットボトルでは宇宙に届かない」と聞いてユウが振り向き少し歩いて話し出し、続いて「ちょっと安心したかも」で振り向く……という芝居など。二人の肩に乗せていたユウの手が「宇宙に帰れないのに安心するなんてちょっと変かな」という言葉と共に降ろされるのはおそらく原作でも同じ動きだが、アニメでよりわかりやすくなっている印象。*41
- 海果「皆の仲間になりたい」→「宇宙人さんの仲間になりたい」にセリフ変更。*42
- ロケット準備シーン、水を注入する海果、拍手する遥乃、というアクション追加。ユウ「よーし! これで準備万端!」→「よーし! 準備万端!」にセリフ変更。*43
- 原作だと海果一人だけのコマに、いくつかユウと遥乃の姿が追加で描かれている。*44
- 海に落ちたロケットに対して、遥乃「回収しなきゃですね」ユウ「網があった!」というセリフが追加。遥乃の「また皆で作りましょう」はカット。
不法投棄されたペットボトルロケットはなかったことがはっきりと判明*45
まとめ(コメント)
宝木遥乃!!!!!
実を言うと筆者は星テレだと遥乃が一番好きで……。
原作の時はそこまで注目していなかった遥乃の首から伸びるリボンが、かなりアニメではわかりやすくデザインのアクセントになっていていいなと思う。
2話初見の時はなぜだかわからないがあまりにも泣けてしまって全然冷静に見られなかった。俺って星テレの大ファンだったんかなぁ……。
さて、今回は少しスピード落ちて原作の2話分を消化。その分オリジナルシーンでうまく膨らまされたシーンが多い。
アバンとB冒頭で同じく自室で調べ物をする海果のオリジナルシーンが追加されているのだが、ここによって「子供っぽすぎる」としていたペットボトルロケットを夢への実現の現実的な一歩としてチョイスする海果の変化がわかりやすく表現されている。
手が届かない空想へと逃避する海果が、次第に地に足ついた考え方をするようになっていくという兆しであろう。
あと注目すべきはユウの歌に言及するシーンの追加か。これは明らかに今後のための布石だろうと思う。
ラストのペットボトルロケットのシーンは納得の山場。構成上でも、ここを2話のクライマックスにしようという判断には、それしかないと思える。
打ち上げのシーンは原作でも1ページをぶち抜く大迫力のシーンで、読者の心を一気に掴む力があった。アニメ組にもコミックが無料公開されている内に是非チェックして欲しいシーンの一つである。
比べてみると、アニメではやはり人物の細かい芝居を表現できているのがいいなと思う。ちょくちょく入る追加のアクションも「確かに彼女らは絶対こうする!」という納得感が強いもので良い。
一方、原作のこのあたりの表現力も卓越しているなあと改めて実感。印象的な一コマの表現や、アニメだといくつかの表情変化で示している感情の動きを見事に捉える絶妙な表情のニュアンスなど、アニメを見て「こういうシーンなのか!」と認識が固まった故に原作の凄さに始めて至ることも多い。
『ご注文はうさぎですか? BLOOM』のアニメを原作と見比べながら見ていた頃も思ったが、優れたアニメ化というのは補助輪的に原作の良さにも気づかせてくれるものなのである。
偉そうなことが言える立場というわけでは当然ないのだが、『星テレ』が良きアニメ化に恵まれて本当に幸せだな……と思わせてくれる2話であった。
*1:26p
*2:p26,3コマ
*3:p26,8コマ
*4:36p,5コマに近い
*5:p35,4コマ
*6:p35
*7:p35,1コマ、p36,4コマ
*8:p36,4コマ
*9:p36,5コマ
*10:p36,8コマ
*11:p37,1コマ
*12:p37,4コマ
*13:P37,5コマ
*14:p37,7コマ
*15:p37,8コマ
*16:p38,1コマ
*17:p38,2コマ
*18:P38,6コマ
*19:p38,6コマから飛んで、p39,4コマ~8コマ範囲
*20:p39,3コマ
*21:p39,1コマ
*22:ここまで、p38~39
*23:p39,7コマ
*24:p40,3コマ付近
*25:p40,5コマ
*26:p40,8コマ
*27:p41,1コマ
*28:p41,2~3コマ
*29:p41,4コマ
*30:p41,5コマ
*31:p41,8コマ、p42,1コマ
*32:p42,2コマ
*33:p42,8コマ
*34:p43,2コマ
*35:p46,5コマ
*36:p46,6コマ
*37:p47,1コマ
*38:p47,3~4コマ
*39:p48,1コマ
*40:p48,8コマ
*41:p49,50
*42:p50,7コマ
*43:p51,5コマ
*44:p51,8コマ、p53,2コマ
*45:p53,5コマ
*46:p54