日陰の小道

土地 Tap:Green を加える。

2020年上半期のイイ曲10選

オタクのみなさんがやっていた2020年上半期楽曲から10選ぶやつをやってみました。
レギュレーションに関してはめがねこさんの提唱されていたものに準じています。

楽曲選出基準
・2020年1月~6月に初めてフル音源がリリースされた楽曲
・アーティスト、作家、作品のかぶりは今回気にしない
(仮みたいなものなので)

ということで、今回わたしが選んだのは以下の10曲です。

Free Turn / Trysail

作詞・作曲:出口遼 編曲:飯田涼太
収録:『Free Turn』

Free Turn

Free Turn

みなさんあの名作アニメーション映画『劇場版 ハイスクール・フリートは見ましたか!? これはその主題歌楽曲です。あまりにも最高の作品すぎて聞くだけで涙がこぼれてきますね……。


さて、こちらは同じくTrysailが担当しているTVアニメ『ハイスクール・フリート』OP主題歌の『High Free Spirits』の正当進化とでも言うべき勇ましい曲に仕上がっています。正直なことを言うと『High Free Spirits』はアニメ本編の内容に対してあまりにも(OP映像含めて)シリアス過ぎる、みたいな気持ちがかつてあったのですが、今回は映画の内容にも恐ろしいまでに合致した曲であると感じます。
まず何よりも歌詞が完璧に劇場版の内容なんですよね。全部が全部内容を想起させて泣けてしまうのですが、キリがないので一つだけ挙げるとすると『ただいま』『おかえり』の言葉を含んでいるのが擬似家族めいた共同体のお話でもあったハイスクール・フリートの物語を表現するにあたって本当に嬉しい。一方で読んでいくとこれは同時に"別れ"の歌でもあり、”共にいる今”と”いずれ訪れる違う道を進む未来”を感じさせます。離れていても繋がれること、近くにいるから共に歩めること、完全に明乃・ましろ・もえかのラインなんですよね……。そしてそれは”自由”に選択していけることなのです、なぜならば少女たちには進むべき航路(みらい)があるのですから……!
直接作品内容になるべく言及しないで紹介をしようと思うとマジでよくわからないオタクポエムになってしまいますね……言葉はいらねえ、『劇場版 ハイスクール・フリート』を見てくれ!


楽曲の話も少しちゃんとしましょう。改めて広大な海を舞台にしたスケール感を感じさせる壮大なサウンドなのが非常に良いです。いかにもアグレッシブなアニソン! という感じで入ってくるキメやギュインギュイン鳴るギターの音も嬉しいですね。Free Turnよりも好きなカーーーーンの音、存在せんな。ひたすら前へ前へとハイテンポなリズムを叩くドラムが疾走感を生み出していて非常に心地よいですね。Cメロで追加される美麗なピアノの音色も良くて、勢いだけでなくドラマチックな楽曲に仕上がっています。本当にお手本みたいなアニソンですね。

Free Turn(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)(特典なし)

Free Turn(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)(特典なし)

  • アーティスト:TrySail
  • 発売日: 2020/01/22
  • メディア: CD


あまい夢 / 上田麗奈

作詞・作曲:ORESAMA 編曲:⼩島英也
収録:『Empathy』

あまい夢

あまい夢


上田麗奈さんの『Empathy』、とんでもないアルバムでしたね。声優アーティストのなんたるかを世に示すような"ボイスアクター"と"シンガー"の中間を攻めたような挑戦的な作風。それでいてアルバム全体として一本軸になるカラーを感じ、内省的なコンセプトアルバムめいた尖った完成度の高さがあります。ピッチ修正も程々に、と声質を一番にしてのリリースを決定したスタッフ側も、そしてそれに応えられる上田麗奈さんも凄まじい。特に今の流行りは「綺麗」なミックスで、それが求められているでしょうから。


今回アルバムから挙げたこの曲は全体的に"重さ"を感じるアルバム全体でも非常に軽やかでポップな楽曲です。先程コンセプトアルバムめいていると書きましたが、特にアルバム前半(レコードで言うA面にあたる部分)はポップな楽曲が多く配置されており、その中でもひときわ楽しげな曲ですね。"I Maybe"と”あまい”の韻踏みがとても気持ちいいです。


楽曲提供のORESAMAといえばクラブっぽい弾けるようなダンサブルなサウンドと、ちょっと小洒落た感じの渋谷系めいたサウンドの融合のきらびやかな曲を作るイメージがあります。この曲もそうしたカラーはしっかり出つつも、一方で上田麗奈さんのコンセプチュアルな空気感からは逸脱しないような、どことなく幻想的で浮遊感のあるような澄んだ雰囲気もまたあり、このバランス感覚には卓越したものを感じます。全編を通して美しく鳴るエレピの音色が素敵。

Empathy

Empathy

  • アーティスト:上田麗奈
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: CD


Magic Words / Liyuu

作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE
収録:『Magic Words』

Magic Words

Magic Words

  • Liyuu
  • アニメ
  • ¥255


TVアニメ『はてなイリュージョン』のOPテーマです。うまくいえないんですが、弾けるTAKU INOUE節! という感がたまりませんね。Future Bassを意識したようなキラキラしたサウンドが中心になりつつ、Bメロでグッと引いて静かに心臓のような鼓動のビートを聞かせ、また再びサビで弾けるカタルシスのある構成も素敵。ブレイクがめちゃくちゃ気持ちいいですね、サビも頭の部分もいいですし、上昇するベースラインから連続して繰り出されるのもめちゃくちゃアガります。


他のTAKU INOUE氏の楽曲で比較すると、『さよならアンドロメダに通じるようなものを感じるでしょうか。前述のBメロや、Cメロで宇宙的な浮遊感を生み出すあたりに特にアンドロメダからの流れを思わせるのですが、"静"よりのアンドロメダに比べてこちらはぐっと"動"という風なアップテンポな楽曲に仕上がっています。


作詞のMCTCという方はTAKU INOUE氏の別名義ですが、等身大の少女の切なさや期待といった心模様をきらきらとした言葉で表現しています。ちょっと舌っ足らずで可愛らしくも清涼感のあるLiyuuさんの歌声と歌詞・曲調が全体的にとても綺麗に調和していますね。それにしても、再び『さよならアンドロメダ』を引き合いに出しますが、MCTCことTAKU INOUE氏、あまりにも未成熟な少年少女の切ない心情を歌詞にするのあまりにも毎度上手すぎませんか。楽曲がはちゃめちゃにいいだけじゃなくて歌詞だけでもはちゃめちゃに良いのですが……。しかもどちらも自身で組んでいることもあってか、譜割もとても気持ちいいんですよね。「う・そ・だ・よ」のドラマチックさに感服です。


ミラーボール・ラブ / 宮本フレデリカ (高野麻美), 棟方愛海 (藤本彩花), 及川雫 (のぐちゆり), 荒木比奈 (田辺留依), 姫川友紀 (杜野まこ)

作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE
収録:『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 3chord for the Dance!』

ミラーボール・ラブ (M@STER VERSION)

ミラーボール・ラブ (M@STER VERSION)


「作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE」の曲を連続して挙げてすまん、流石に良すぎるので……。楽曲自体は昨年のライブやゲームでショート版がお披露目されていますが、フル版は今年待望の発売となりました。ちなみにここには挙げませんでしたが今年は月ノ美兎さんの歌う『アンチ・グラビティガール』という「作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE」楽曲も大層話題となり、TAKU INOUE氏の無双っぷりが非常に現れた上半期であると言えるかもしれません(個人調べ)


こちらの楽曲は前述の『Magic Words』とはまた雰囲気がが変わったハウス・ディスコ・ナンバーとなっています。この曲はシンデレラガールズの7thライブツアーの一つ『3chord♪ Funky Dancing!』でのテーマ曲であり、ミラーボールの名が指し示すようにクラブミュージックをジャンルのテーマとして打ち出しているライブにピッタリの楽曲に仕上がっていますね。4つ打ちのリズムととにかく徹底したフレーズのリフレインによって陶酔感を生み出しているのが印象に残ります。定期的に挿入される「あ・あ・あ・あ」の4分音符のリズムの歌唱もそれを後押ししていますね。この歌唱ポイントでドラムが途切れてからまた再び4つ打ちが再開される……というのがひたすら終わらず繰り返されるダンスの時間を感じさせます。
同時にハチャメチャに好きなポイントとしてファンク要素の回収とでも言わんばかりにAメロで挿入される16ビートのアグレッシブなドラミングやカッティングギターです。これが曲全体でビート的にもかなり良いアクセントになっていますね。

ちょっぴり切なげな歌詞も良いです。ミラーボール、すなわち回転のモチーフはシンデレラガールズでは節目の楽曲で「メリーゴーランド」に例えられてきました。「繰り返し≒終わらないもの」として『Starry Go Round』で讃えられたり、同時に『イリュージョニスタ!』では変化せず朽ちていく例えとして扱われたりしていましたね。7thライブの中のテーマソングの一つであるこの『ミラーボール・ラブ』にはそこまで思想めいたものをまだはっきりとは見出していませんが、ついコンテンツの歩みそのものを重ね合わせたくなる癖が出ないか……と言えば嘘になるかもしれません。


この終わらないかのように思われたダンスミュージックも4分43秒鳴り響いた後、切なげな静寂をもって終了します。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 3chord for the Dance!

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 3chord for the Dance!

  • アーティスト:V.A.
  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: CD


天秤-Libra- / 西川貴教ASCA

作詞:RUCCA 作曲・編曲:菊田大介(Elements Garden)
収録:『天秤-Libra-』

天秤-Libra-

天秤-Libra-


TVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』のOPテーマです。王道西洋ファンタジー世界を模した世界設定にふさわしいような、極めて壮大な楽曲ですね。ふんだんにストリングスやコーラスを取り入れた荘厳な仕上がりとなっています。
天に浮かぶ豊かな白の王国と地を這う貧しい黒の王国の抗争が作品の一つのテーマとなっていますが、そんな厳しい世界の理を真っ直ぐに表現したような主題歌にピッタリの一曲でしょう。末茶藻中の春クール・アガるアニソン大賞です。「白か黒か天秤-リブラ-」というサビのフレーズが極めて印象的で、アニメ自体の高いポテンシャルも含めて今期アニメシーンにおいて「黒か白か」というテーマをアニメオタクたちに投げかけ論争を巻き起こしたと言われています(個人調べ)


作編曲の菊田大介さんは『バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~』のOPにもなった『Bang Dream!』の『Wonderland Girl』のようなとても軽快な曲調のものも多く手がけられており、その幅広さに驚いてしまいます。


歌うのはT.M. Revolutionとしておなじみ、アニメ楽曲を担当することも多い西川貴教さんと、最近活躍が目覚ましい歌姫ASCAさんのタッグ。「交わらない白と黒」を表現するにあたって男女ボーカルの差異がそのまま表現に転化されていますし、その上でバッチバチの高歌唱力コンビが互いの力をぶつけ合うような絡みに圧倒されます。別々のメロディを歌うAから、Bでは輪唱めいたフレーズを互いに交わし、その間隔がどんどん縮まっていきいよいよサビで同時に歌声が交錯する構成には極めて高いドラマ性を感じてしまいますね。楽曲だけ聞いても非常にシンプルにかっこいいのですが、重なり、そして離れていくこの演出はアニメを踏まえると涙なしでは聞くことが出来ません。


通常版シングルに収録の (Add’l ZERO CHRONICLE)のバージョンではなんと間奏パートにアニメ引用のセリフの両ボーカル掛け合いというゴリッゴリの演出がありますが、アニメを知っていると一段と心に迫るものになっていますね。見ようよ白猫!

天秤-Libra-(通常盤)(特典なし)

天秤-Libra-(通常盤)(特典なし)


Pious Bullets / B.A.C

作詞・作曲・編曲:5u5h1
収録:配信のみ

Pious Bullets

Pious Bullets

  • B.A.C
  • アニメ
  • ¥255
※販売のみ


アプリゲーム『8 Beat Story♪』(エビスト)のユニット『B.A.C』の二曲目の楽曲です。主人公グループ『8/pLanet!!』の新たなるライバルとして今年登場したB.A.Cですが、アクターも田中美海楠木ともり菅沼千紗と他コンテンツやソロで既に活躍している実力組を揃え、「この世の自分たち以外の無駄な音楽を一掃する」という過激な思想を持ったアンドロイドグループとして鮮烈な登場を果たしました。


前作『Silent World』では神々しくもあるような曲調でその思想をまっすぐにぶつけてくる楽曲でしたが、自己紹介は済んだとばかりにこの『Pious Bullets』では極めて攻撃的なEDMサウンドで聞くものを捻じ伏せます。銃を掲げるジャケットも過激で素敵ですね、新世界の糧になっちゃう~~~。
この曲の全てを担当されている5u5h1さんはエビストにおいても様々なゴリッゴリの曲を作り上げており、こうした路線は十八番という風格ですね。治安の悪いビートが一瞬鳴り止んだ瞬間にリロード音が「カチャカチャッ…」と鳴るのがあまりにもカッコいい。これよりも好きな「カチャカチャッ…」存在せんな。


B.A.Cはライブでは今年のもう一つの先輩ライバルユニット『2_wEi』のライブにゲストとして登場しましたが、極まったビジュアルとパフォーマンスでわたしを含めた観客を魅了しました。同じアンドロイドグループながらも楽曲的には生音で攻める2_wEiとは対照的に、完全な電子サウンドの楽曲という差異も鮮やか。2_wEiは極めて個人的な感情を歌に乗せるグループなのですが、新たな敵であるB.A.Cはそれとは全く違った思想という対比がバチッとキマっていてよかったですね。


ここでもB.A.Cの「完璧に統率された一つの意志を推奨し救いを与える全体主義(白)」2_wEiの「個々のバラバラな意志や感情によって各々が世界と戦う力を得るべきという個人主義(黒)」という思想の対立なわけで、2020年のテーマは「白か黒か」なんだよな……(個人調べ)
cemetrygates1919.hatenablog.com
これはライブに行ったときの感想です。


Bite a Bit / 虎牙ミント(CV.森下来奈)

作詞・作曲・編曲:シン・マナヒロ
収録:『Return Zer0;』

Bite a Bit

Bite a Bit

  • 2_wEi
  • ロック
  • ¥255
※販売のみ

2020年は白と黒なので黒側の楽曲も選出します。『8 Beat Story♪』(エビスト)のユニット『2_wEi』のセカンド・アルバム『Return Zer0;』からのソロ楽曲。アンドロイド姉妹ユニット2_wEiの妹の方、虎牙ミントちゃんの曲ですね。


『2_wEi』の歩みを確かに感じさせる『Return Zer0;』は既存楽曲もさることながら、本アルバムの新曲たちの姉の虎牙アルミ演じる野村麻衣子さんの圧巻のソロ歌唱『REGALIA』や高らかに戦いを宣言する『Start the War』などどれもこれも魂のこもった楽曲群なので気を抜くと片っ端から選出しそうになりましたが、ここは我慢して一番聞いたこの曲を選びました。何故一番聞いたかと言うと、めちゃくちゃ"萌え"だったので……。


パフォーマンスにおいて凄まじい孤高のカリスマ性を持った姉・虎牙アルミと対照的に、妹の虎牙ミントは小悪魔的なスタイルが持ち味です。楽曲においても森下来奈さんのキュートな歌声が野村麻衣子さんのカッコよさといい対比とバランスを生み出しているのですが、この楽曲はソロ。その可愛さを存分に堪能できます。
一方で2_wEiとしてのユニットイメージから逸脱しない、ニューメタルで攻撃的なカッコよさもきっちりと演出されています。演奏は中低音が強調されつつも強めのリバーブの効果か刺さるような感じを抑えられ、各楽曲では攻撃的なシンセの音色もここのサビではキャッチーに調和しています。「いいですかぁ?」のセリフパートも良すぎるんだよな、ミンちゃん、も、萌へ……。


全てを担当されているシン・マナヒロさんは今までも数多くの2_wEiの楽曲を手がけられていますね。曲・詞双方で2_wEiの感情に寄り添った楽曲をいくつも制作され、楽曲と共にある彼女たちの世界観を構築する上でも極めて重要な役割を果たしている一人であると感じるクリエーターの方です。前述の雰囲気のバランスをうまく舵取りをした上で、楽曲を組み上げているのは非常にキャラクターへの理解を感じますね。


歌詞も素晴らしくて、一見するとミントから観客に向けた挑発的なもののように思えますが、一方で「甘い夢に爪を立てたら」「わたしの名を呼んで 呼んで」といったフレーズからは2_wEiのサイドストーリー3章を思わせるようで、姉へのメッセージや2_wEiとしての決意も感じさせるような仕上がりになっていることに舌を巻きます。シナリオを踏まえるとソロ曲そのものがある種の感慨を生み出すものでもあり、全くもって楽曲と物語を組み合わせるニクい演出の手のひらの上という感じです。


イイ楽曲を作ってイイ歌唱とイイ演奏やってイイ物語とイイ感じにシンクロさせたらオタクはすぐ負けるとか思っているコンテンツが多すぎるんだよな……(今墓の中からブログを書いています)

2_wEi「Return Zer0;(リターンゼロ)」

2_wEi「Return Zer0;(リターンゼロ)」

  • アーティスト:2_wEi
  • メディア: CD


キミのラプソディー / Mashumairesh!!

作詞・作曲:Wiggy 編曲:三谷秀甫
収録:『ヒロメネス/キミのラプソディー』

キミのラプソディー

キミのラプソディー

  • Mashumairesh!!(CV:遠野ひかる、夏吉ゆうこ、和多田美咲、山根 綺)
  • アニメ
  • ¥255


SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』EDテーマです。ポップでカッコいいイントロのギターリフが目立つパワーポップ的なエッセンスも感じる楽曲ですね。イントロドン! でオタクの心も鷲掴み。ギターリフのメロディが改めてサビではボーカルのメロディとしてリフレインするのも良い。イントロ、Bメロ、サビと挿入される下降ベースラインもいい具合にポップで、ラスサビのキメも気持ちいい。グルーヴ感に溢れる楽曲の作り全部が全部、Mashumairesh!!の演奏の喜びとしてこちらにも伝わってくるような気持ちになります。バンドサウンドの良さが詰まったとても楽しい曲に仕上がっていますね。
ED映像のわちゃわちゃしている感じもとても暖かい気持ちになります。


めちゃくちゃ曲がイイので当然めちゃくちゃイイ曲なんですが、この曲のもう一つヤバいところは『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』においてはMashumairesh!!のメンバーが制作したというクレジットが存在することです。
EDクレジットで判明する劇中の設定は「作詞:マシマヒメコ 作曲:ほわん 編曲:Mashumairesh!!」ですね。いや、「作詞:マシマヒメコ」マジ……………………?


「止まらない とめどない 本当に好きな人に出逢えたんだ」「作詞:マシマヒメコ」マジ……………………?


「2人は2人は きっと巡り会う / 決まっていたって そう思えるの / 出逢えた奇跡が 日常を 彩ってきらめき出す」が「作詞:マシマヒメコ」マジ……………………?


「Oh my girl 想いが」が「作詞:マシマヒメコ」マジ……………………?


俺たちは試されている。イイ楽曲を作ってイイ歌唱とイイ演奏やってイイ物語とイイ感じにシンクロさせたらオタクはすぐ負けるとか思っているコンテンツが多すぎるんだよな……。


Why Are Sundays So Depressing / The Strokes

作詞:Julian Casablancas 作曲・編曲:The Strokes
収録:『The New Abnormal』

アメリカのガレージロック・リバイバルで有名なロックバンド『the Strokes』の最新アルバムからの楽曲です。以前の月ごとに聞いている楽曲の記事でも紹介しました。
cemetrygates1919.hatenablog.com


今回の10選では唯一ゲーム・アニメなどのオタクコンテンツとは関係のない曲の選出になりました。普段オタクソング以外はなかなか最新のリリースを追えていないのですが、ストロークスの新譜は2020年においても彼らのキャリアにおいても本当に出色の出来だと思うので、今年聞けてよかったなと思います。あくまでイメージなのですが、オタクソングの多くはとにかく様々な音を足していく「足し算の音楽」が多いと感じます。一方のシンプルなバンド編成でギターロックを奏でる彼らの「引き算の音楽」とでも言うべきある種の素朴さに癒やされ、そしてそのクールさに酔いしれたい時間もあったりします。イイバンドです。
今だと音楽のサブスクリプションサービスがかなり助けになりますし、そうした方面もアンテナを伸ばしていきたいですね。

ザ・ニュー・アブノーマル (通常盤)

ザ・ニュー・アブノーマル (通常盤)


Celebrate Good Time / ARP

作詞:前迫潤哉 作曲:前迫潤哉、Dr.Lilcom、春川仁志 編曲:Dr.Lilcom
収録:『KICK the BEST』ほか

Celebrate Good Time

Celebrate Good Time


TVアニメ『ARP Backstage pass』EDテーマです。以前の月ごとに聞いている楽曲の記事でも紹介しました。
cemetrygates1919.hatenablog.com


今回の10選の順番はこの楽曲群で自分がプレイリスト作ったらこんな順番にしたいかな、という並びなのですが、この曲よりも最後に流れてグランドフィナーレ感を演出してくれる曲もなかなかないですね。4月の記事でも書きましたが、R&B / ソウルの影響が色濃く各ボーカルの個性をぶつけ合うような楽曲を聞いていると多幸感に包まれ、思わず踊りだしたくなります。わたしの人生の最後にも『Celebrate Good Time』がフェードインしてきたら「うお~めっちゃイイアニメだった気がする!」って気持ちになると思うので流してほしいですね、葬式とかで。

KICK the BEST

KICK the BEST

  • アーティスト:ARP
  • 発売日: 2020/04/01
  • メディア: CD




終わりだよ~

日頃なかなか今年リリース! という感じで聞かないのですが10選べるぐらいにあり素直に良かったです。
今後も、時を越えた探索/Dig Through Timeだけでなく最新リリースのDigもしていきたいですね。