日陰の小道

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『星屑テレパス』という令和最大級のきららアニメを見てくれ!【星テレ】

『星屑テレパス』アニメ化おめでとうございます!

原作コミックからして大好きな作品がアニメ化することになり、本当に楽しみです。
『星テレ』は『ぼっち・ざ・ろっく』に続くきららアニメであり、『ぼざろ』の大ヒットから更にきららアニメのブームが来る可能性もあるのではないでしょうか。

この記事では、そんなアニメ『星屑テレパス』を是非見て欲しいという内容になっています。アニメ好きの皆さんの参考になると嬉しいなと思っています。


hoshitele-anime.com

令和最大級のきららってどういうこと?

『星屑テレパス』は2019年5月連載開始なので、令和(2019年4月~)以降にアニメ化したきらら作品の中でも、最も令和度合いが強いということです(2023年10月現在)

つまり現時点においては『まちカドまぞく』や『ぼっち・ざ・ろっく』よりも圧倒的に令和感が強いのですね。


すみません、私が悪かったです。ブラウザバックをしないでください。
確かにこのタイトルにしたのは少しでも衆目を惹こうとした愚かな工夫ですが、『星屑テレパス』がきらら作品のニュースタンダードになり得る逸材だと考えているのは嘘ではありません。

というのも、星屑テレパスという作品が"いわゆるきらららしい"と言われるようなキラキラとしたかわいさと、同時に息を呑むようなシナリオ展開を見事に両立しているからなのですね。本アニメを手掛けるかおり監督の言葉を借りるとすれば「かわいい!と、しんどい!が交互に来ます」という感じでしょうか。*1
『星テレ』のこの雰囲気って、どちらが強調されるという感じでなく、両方がハイレベルなんですよね。つまり、従来の多くの人が想像するきらららしさを保ちつつ、ハラハラさせるシナリオ展開で魅せる(きらららしさをかわいさに見出している人にとっての)ちょっとした真新しさがある。言うなれば攻守のバランスがいい作品だと思っています。
もしあなたが「きららってかわいいけどぶっちゃけ退屈なんだよなぁ」と思っているとしても、「星テレ」はもしかすると楽しめるかもしれませんよ。

アニメ『星屑テレパス』1話より

ところで『ぼざろ』のヒットを受けて「今のきららってこんなのもあるんだ!」と思った方ももしかすると中にはいるのではないでしょうか。雰囲気のあるアニメのクオリティによって話題になったこともありますが、ぼっちちゃんのおおよそ「キラキラからは程遠い」のもインパクトがあったのではないかと思います。
ぼっちちゃんは突き抜けたキャラクターですが、『ぼざろ』の掲げていたダウナー系主人公路線とでも言いますか、具体的に言えば周りと馴染めないことの孤独感というのは、まさに『星屑テレパス』の主人公の一人である海果が抱えている苦悩です。
そういうダウナー系主人公って結構今きららでも増えてる*2のですが、『星テレ』はそうしたちょっと仄暗いところを起点にしつつ、煌めく青春モノをやっている作品です。ああ、もちろん『ぼざろ』に煌めきがないわけではありませんよ。ただ、『ぼざろ』の尖ったアウトサイダーっぷりよりも『星テレ』は多くの人が「きらららしさ」を感じるものではないかなと思っています。それに『ぼざろ』は原作としてもアニメとしても尖った作品になりましたから、なかなか”ポストぼざろ”って出てこないんじゃないでしょうか、と思ってるところもあります。

故に、私は『星テレ』こそをきららのニュースタンダード足り得る存在だと考えているのですね。『ぼざろ』のヒットがある今こそ、『星屑テレパス』は次世代のきららを感じるために見てほしい作品です。

星屑テレパス 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
『星屑テレパス』1巻

ところで、先程無意味に令和の括りで語りをしたわけですが、実際ストーリー重視の傾向は結構あるんじゃないかと思っています。*3アニメとして令和一発目の『まちカドまぞく』は街の危機への対処や謎の調査が大きな魅力の作品でしたよね。『恋する小惑星もアニメではコメディ要素よりも部活モノとしての夢へ向かうストーリーが強調されていました。RPG不動産』もアニメの終盤でのシリアスな展開に驚いた人も多いのではないでしょうか? そして『ぼっち・ざ・ろっく!』もギャグとカッコよさを鮮やかに切り替える原作の魅力を、映像の中でなだらかに接続して結束バンドやぼっちちゃんのサクセスストーリーとして見事に仕上げていました。

こうした中、『星屑テレパス』は特にそのシナリオ展開がパワフルな作品です。それぞれに悩みや想いを抱えた少女たちの繊細な心の機微を丁寧に掬い上げながら、彼女たちが夢へ向かってロケットのように突き進もうとする、その青春模様がとても魅力的な作品です。

はっきり言って『星屑テレパス』がみなさんにとっての”きららアニメ”というやつのイメージを更に変化させる、更には「きららアニメ」の基準になるぐらいの作品足り得ると私は考えています。


『星屑テレパス』アニメ化に伴って1巻が無料で読める*4ので、本作のビジュアル的な魅力については実際に見ていただいて存分に感じていただきたいと思います。大熊らすこ先生のイラスト、シンプルにめちゃくちゃ良くないですか?

『星屑テレパス』の魅力について

アニメ1話はもう放送されたので、この範囲で軽く内容についても紹介できればと思います。

https://fod.fujitv.co.jp/title/b0hw
1話はFODでも見放題っぽいです! 急げ!

まず第一に『星屑テレパス』という作品の何が強いのか。これはもうシンプルに表現力の高さだと思います。

漫画『星屑テレパス』1話より

本作一番のインパクトといっても過言ではない、おでことおでこをくっつけて意思疎通をする「おでこぱしー」のシーン。この額をくっつける行為は接吻を連想させ、ロマンティックさやエロティックさを孕んでいますが、事実心と心の極めて近い接触のため、そのイメージもあながち間違ってもいません。ここを原作1話から情感たっぷりに見せることで、大熊らすこ先生の技量の高さが伺えます。直前には「モヴロヴ! モヴロヴ!」と言ってるギャグシーンなわけですから、この緩急の付け方がたまりませんね。

アニメ『星屑テレパス』1話より

もちろんアニメでもここは情感たっぷりに描いてくれて最高でした。


さて、原作漫画の表現力の高さでもう一つ触れておきたいのが「映像的」な演出です。

漫画『星屑テレパス』2話より

ストーリー4コマ漫画の魅力ここにあり! と言っても過言ではない連続コマでの表現です。1コマ目と2コマ目の対比によって、ユウの駆け寄って来た勢いが静止画からもありありと伝わってくるような豊かな表現になっていますね。『星テレ』を読んでいる時、まるで登場人物たちが動いている様がありありと見えるような「映像的」なコマ割りが存在しています。他にもカメラを意識させるような視点の移り変わりによって、見事になめらかな読み味を実現しているシーンなどもあります。
もう原作は面白い表現の宝庫なので、あんまり4コマを読まない方々にもほんとに是非読んで欲しいと思っています。

さてさて、そんな元から「映像的」魅力のあった星屑テレパスだったわけで、アニメになってどうなるかなとドキドキでしたが、いい膨らませ方をしてくれているなと感じています。やっぱりアニメ(映像)のほうが人物がどの場所にいるか、ということが際立ち、空間の広がりを感じるのが面白いですね。

アニメ『星屑テレパス』1話より

アニメで印象的だったのはこのベランダのシーン。「おでこぱしー」を披露するのは原作では教室内だったのですが、アニメではベランダにシチュエーションが変更されていました。窓を使った枠の演出をさらりとしつつ「教室にいるみんな/ベランダにいる二人」という隔たりも表現されており、これらの設計によって”二人の世界”という雰囲気が強くなっています。
これは空間を意識させる映像作品ならではの変化と言えるでしょう。

アニメ『星屑テレパス』1話より
アニメ『星屑テレパス』1話より

あと良かったのがこの灯台に入るシーン! 外と中で画面の明暗をシャープに付けることで、「灯台の中には何があるんだろう……」という未知の神秘へと向かう雰囲気がものすごく膨らませられていてよかったです。ここのユウのわちゃわちゃした動きもすごくいいんですよね。すごく明るくて友好的な存在なんだけど、だからこその部分もある、ユウの持つ「不思議/神秘的」なイメージをとても感じることができました。
原作と比較してもここはアニメ化ですごく面白くなったシーンの一つだと思います。

漫画『星屑テレパス』3話より

面白い原作を丁寧に、しかしながらそのままではなく”面白いアニメ化”をしてくれているな~と感じますね。正直『星テレ』って元が映像的だと思っていたから、アニメになったらそのまんまになっちゃうんじゃないか、とか思ってたんですけど、いやこれは酷い素人考えでした。
アニメと原作を比較しながら1話を見ていたのですが、細かいところでも色々変化があって、いやぁメディアの違いってあるんだなぁ……と当たり前のことに改めて気付かされたことも多くあります。

seiga.nicovideo.jp

今すぐ『星屑テレパス』を見たほうがいい一番の理由

配信サイトが少ないからです。

『星屑テレパス』はFODでの独占先行配信が決定しました! パチパチパチ
アニメを作ることには当然巨額の予算が必要なので、この独占配信というシステムの是非自体を問うつもりは、いち視聴者である私にはないのですが、ともあれいち視聴者目線から考えると独占配信というシステムは単純にデメリットしかありません。「Amazonプライムやdアニメストアに入ってるから一緒に見られるなぁ~」ということができないのは、配信勢からすると困りものでしょう。「ぶっちゃけよく知らないアニメのためにFODに入るのもなぁ~」そんな意見が出てくることだって当然あると思います。

ですが! ありがたいことにTVerによって「見逃し配信」という放送から1週間は無料で見られるシステムが存在するのです!

tver.jp


身も蓋もない内容になって申し訳ないのですが、この記事を書いた理由の半分ぐらいはこれです。見逃し配信は放送から1週間見られる、更に大抵FODでも1話はずっと無料で見られる*5ので、3話放送前だったら最新まで追いつけることになります。つまり、3話ぐらいから「話題になってるからじゃあ見てみようかな」ということができないのです。
なので「きららアニメ大好き! かわいい女の子が出てくるおもろいアニメを見るぞ~!」などとですね、毎クール気合を入れているような萌えアニメ好きのオタクのみなさんにはですね、これだけ忘れないでほしいのです。『星屑テレパス』を見るとしたら、最初の2週間が勝負です。うっかり忘れているとしばらく見られなくなります。


Googleカレンダーとかに記しましたか?「2023年10月23日(月)22:29*6 星屑テレパス無料視聴期限」とかいう風に。


……


……はい! この記事はとにかく「『星屑テレパス』を見てもらいたい」という内容のブログなので、はっきり言って一番オタクの方に言いたいことはこれだけです。みんな俺があれこれ言わなくてもぶっちゃけ気になってるだろ? そんなことない? どう?
FOD独占のアニメはしばらくすると他の配信サイトで見られることもわりとありますが、『星屑テレパス』は前述の通りそこそこストーリー性が強めなので、その間にうっかりネタバレを踏んでしまうこともあるかもしれません。ほんとだったら私だって何も言いたくないですよ、ストーリー展開ぐいぐいあるぞってネタバレですからね、普通に。

アニメを見るスタイルは人それぞれ、これが私の信条ではあるのですが、萌えアニメ好きのあなた……いえ、アニメ好きのあなたにがっかりしてほしくないのです。最初の2週間、とにかく最初の2週間です。

大熊らすこ先生も見て欲しいって言っとる。
いや……普段マジでこんな記事書かないんスよ……アニメとか自由に見るのが一番いいんで。ぶっちゃけ自分が圧強い勧められ方したら余裕で逆張りしちゃうんで。

でも『星テレ』はマジの名作なので見て欲しい。

よろしくお願いします。
それでは!

*1:https://hoshitele-anime.com/news/detail/?id=2

*2:MAXの『ななどなどなど』キャラットの『またぞろ』などなど

*3:下ネタギャグを徹底的に磨いた『おちこぼれフルーツタルト』のような例外アニメももちろんあります

*4:2023年11月5日(日)まで

*5:そうじゃなかったらすみません

*6:すみません、21:59でした