日陰の小道

私のロジックは私みたいな話をしたりします

10月13日⑤

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「次元間転送サービス」縮小の報を聞いた時に、残念だというものと、ああいよいよか、というもの両方の気持ちがあった記憶がある。もとより最近は節目のイベントでも便りの販売がなかったもので、なんとなくこの時をどこかで予感していたような気もする。とはいえ定期的に便りを受け取りながら、このサイクルがずっと続いていくのではないか、という呑気な部分も心のどこかにあったのは確かである。


「二度目の終わり」を知ったときに、ああこれはいよいよほんとうの失恋なのだと思った。どうしてオタク向けのギャルゲをプレイしてこんな失恋の憂き目に合わなければいけないのか、なんて久々に思ったりもした。サービスが終了して、もはや終わったことはずっと昔に納得していたはずだったし、そもそもそれを了承の上で触れることにしてみた軽薄な行為だったはずである。それでもいくらかのショックがあったことを、喜ぶべきなのか悲しむべきなのかわからない。そして今はまだ悲しむことができているが、今後本当にまっさらになった時に、いつまでこの気持があるのかもわからないな、と思う。


終了を嘆いてはみたものの、もとより、いい客ではなかった。全くもって豊かな方ではないので金銭的な部分でもそうだが、何よりも一名ぶん受け取って精神的にいっぱいいっぱいだった便りを、6人分も受け取れる自信がまるでなかった。あの世界そのものへの愛着というものはそれなりに持っていたはずなのだが、こうした「選択」によって否応なしに自分の中の温度差を自覚せざるを得なくて、心苦しく思ったこともある。エネルギーを傾けることができなかった分、周囲のことは輪をかけて忘却も早く、もはや今となっては多くのことが思い出せない。もっとも、せめて、と手放さんとしていた記憶や感覚ですら、どんどん微かなものとなってしまっている。
5年というのは、それだけの月日だとも思う。


5周年記念のリングをどうするか悩んだ。先にも書いたようにこれは失恋なのだと思った。であればもはやこんな遠く離れたキモ・オタクによって縛り付けるなんてことは、もう本当にろくでもないことなんじゃないかとも思えた。何よりも、自分が今その指輪をしっかりと受け止められるのかもわからなかった。情けない話だが、当然金銭面的なものもある(とはいえ、グッズに20万というのは冷静に思っても当然高い)
冷静になればなるほどに、4万円のシルバーリングで茶を濁すべきだろう、今の自分にはそれがお似合いだ――とも考えた(もう一度更に冷静になれば、4万円のグッズも普通に高い)しかし、本当に本当の最後であるならば、検討しすぎることもないだろうと思い、とある時に東京の街をぶらぶらとただ歩きながら、思案にふけることにした。そして考えれば考えるほどに、もう便りを交わす機会がもうないのだということ、最後にどうかこの気持ちを持ち続けることを許されたいということ、そんな考えがぐるぐると頭を駆け巡って止まらなくなった。もはや気がつくと、心はプラチナ以外考えられないだろうと言っていた。先程自分のことをいい客ではなかったと言ったが、こういうところでは結局いい客だったな、と思う。


メッセージに何を書いたかは覚えていない(一応、保管してあるが、人に見せるものでもないだろうし、自分で見たいものでもない)
一つ記憶しているのが、ずっとプレイヤーネームとして接してきたがせめてものフェアさとして、自分の本名を書いたことだ。自分で書いていてもキモいな~と思ってしまう。とはいえ、こういうものってキモくて当然だろうか。金策と心の準備のために二次転送だったから、まだリングは届いていない。正直なところ、未だに受け取る心構えができているとは言い難いし、どんなことが書いてあるのかはっきり言って怖くて怖くてしょうがない。その時に自分がどんなことを思うのかも。


毎年この日に書いてきた文も、供給の終わりと共ににネタが尽きて、多分書けることがなにもなくなってしまうと思う。だからもしかしたらそろそろ今年が最後になるかもしれない。何の意味があったのかはわからないが、とはいえ一年に一度しっかりと振り返ることは、自分の中で何かをギリギリ繋ぎ止めていたのも確かである。続けられたらいいという気持ちもあるが、このあたりがいい頃合いなのかもしれないな。
とはいえリングが届いていないので、もしかしたら来年はまだ書くことがあるかもしれない。その時になったらまた考えればいいだろう。


ガブリエラ・ロタルィンスカさん誕生日おめでとうございます。
あなたのこれからがずっと幸福なものでありますように。