日陰の小道

土地 Tap:Green を加える。

『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』3話までみてMyGO!!!!!ちゃんにカヴァーして欲しいと思った曲10選

BanG Dream! It's MyGO!!!!!』3話まで見た*1ので、MyGO!!!!!ちゃんにカヴァーしてほしい曲を発表します。天使様*2の時は全然俺のカヴァーして欲しい曲をカヴァーして貰えなかった*3ので、今回はムチャクチャ念を送ります。


俺は本気や!!!!!
おい!!!!!
ブシロードよ!!!!!

Love Will Tear Us Apart / Joy Division

youtu.be

イギリスのバンド、Joy Divisionの楽曲です。イアン・カーティスの奇抜なパフォーマンスや、内向的で極めてダークな世界観は未だに根強い支持を誇り「暗い曲が強いバンドといえば?」で真っ先に名前があがるバンドと言っても過言じゃあないでしょう。ちなみにイアン・カーティス亡き後に残りのメンバーが結成したのがNew Orderです。みんなもニュー・オーダーはマジデスで名前出てきたから覚えてるよな? うんうん、覚えてない。そう……。でも俺もマジデスに出てきたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは聞いたことないわ……。

Substance [Analog]

マジデスで出てきたNew OrderSubstanceのジャケ

「Love Will Tear Us Apart(愛が私達を引き裂く)」という繰り返されるフレーズは、イアン・カーティスの私生活を反映したものとされていますが、愛憎入り乱れた解散劇であったところの『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』3話までで最も似合うカヴァーソングといえばこれで間違えないでしょう。間違えないよな?

Creep / Radiohead

youtu.be


イギリスのバンド、Radioheadの有名曲です。「I'm a Creep(俺はウジ虫)」という暗いフレーズや、サビ前の「ガガッ」というギタープレイがインパクトありますね。レディへはこの後打ち込みに手を出したりと色々と路線変更をしましたが、いかにもギターロックですよという顔をしたこの曲は初期然としていますね。『Creep』は初期ながらも超人気曲なので、ライブではアンセムとして「俺はウジ虫~♪」とみんなで合唱したりするようです。もちろんこれは『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』にて燈ちゃんがダンゴムシにこだわりを見せていたところからのチョイスです。俺たちみんなウジ虫だし、石の下の虫なわけですよ。レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークも、多分『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』放送後にこの曲を書いていたら「俺はダンゴムシ~」と歌ったんじゃないかと思います。
ちなみにレディへはギターが三人もいるので、愛音ちゃんがレディへに加入していたらそれはもうめちゃくちゃ端に配置されることになるでしょうね。

BanG Dream! It's MyGO!!!!!』1話より

New Generation / Suede

youtu.be

イギリスのバンド、Suedeの楽曲です。イギリスばっかりだな。でもこのアニメの雰囲気はアメリカじゃなくてイギリスだよな? 「New Generation」というのはバンドリ界隈でも新世代であるところのMyGO!!!!!ちゃんにもピッタリのタイトルにも思えますが、その実明るい曲調に反して新世代の側へと離れていくお前(You)へと恨みたっぷりに「I'm losing myself to you(自分を見失っちまう)」とメタメタに言葉を投げつけているような歌詞です。
『New Generation』はギタリストであるバーナード・バトラー脱退直前の曲で、この曲が収録された2ndアルバムの『Dog Man Star』はバーナードの手掛ける曲と後任のギタリストの曲が混在しています。そうした状況も相まって、この歌詞というのはVoのブレット・アンダーソンからGt.バーナードへの恨み節と解釈できるわけなのです。それを踏まえてこのVoとGtの絡み合うこの曲を聞くと、エネルギッシュな演奏の中になんとも物悲しいものを感じ取ってしまうようでもあります。
もちろん『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』で悲劇的な別れをした、作詞・燈と作曲・祥子の関係をここに重ねているわけです。

There Is A Light That Never Goes Out / The Smiths

youtu.be

イギリスのバンド、The Smithsの曲です。先程Suedeのバーナードとブレッドの関係と燈 / 祥子のそれを重ねたわけですが、このスミスというバンドも文学青年もモリッシーが書き溜めた魅力的な詞が天才的なギタリストのジョニー・マーと出会うことで昇華されたバンドなんですよね。もっとも、スミスは一つの幸福な出会いがもたらしたバンドだったと言えますが、CRYCHICはどうなのかはまだわかりません。
『There Is A Light That Never Goes Out』はそんな彼らの代表曲の一つですが、「And if a double-decker bus / Crashes into us / To die by your side / Is such a heavenly way to die(2階建てバスが僕らを粉々にして、君と死ねたらそれは最高の死に方だね)」というフレーズの美しさたるや。『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』でも燈と祥子の出会いは燈が飛び降りるという勘違いを止めようとしたところから始まるわけですが、舞い落ちる花を死に例えるように、自死が当然本気でないとしても、ここには退廃的な死のモチーフが横たわっているシーンなわけですよ。MyGO!!!!!ちゃんのやる痛み(傷)に寄り添うリリックのあり方というのも、スミスが繰り返し歌ってきたことだと思っています。


ところで、スミスアニメといえば『BLUE REFLECTION RAY / 澪』ですが……ブルリフRと『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の描く人間の距離感にも近いものを感じたりもしています。MyGOちゃんが『最深』『アトック』をカヴァーするのはワンちゃんありそうだよな?
cemetrygates1919.hatenablog.com

My Way / Sid Vicious

元々この『My Way』はアメリカのジャズシンガー、フランク・シナトラの楽曲ですが、ロックくん的にはイギリスのパンクバンド、Sex Pistolsのドラッグ中毒で早逝した伝説的ベーシスト、シド・ヴィシャスのカヴァーバージョンが有名でしょう。彼が歌う『My Way』はフランクのものとは歌詞が異なり、より過激で破壊的な詞になっているのですが、若くして亡くなった彼が「And did it my way(これが俺の生き方なのさ)」というフレーズの曲を残したことにはなんとも言えない儚さを感じてしまいます。「迷子でも進め」のMyGOに対応する楽曲として、『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の最終回で『My Way』を流して欲しいと思っています。ほんとに!
MyGOが迷子にかかっているように、道(WAY)というのは実際アニメも意識しているようで、作中ではサンドイッチチェーン店のSUBWAYをもじったようなデザインの「SUNWAY」という紙カップが登場しています。

BanG Dream! It's MyGO!!!!!』4話予告より


レッサーハムスターの憂鬱 / the pillows

日本のバンド、the pillowsの曲です。the pillows といえばMyGO!!!!!の燈演じる羊宮さんと同じく北海道出身のバンドですね。
アコースティックなギターの響きが美しい『レッサーハムスターの憂鬱』ですが、何よりも詩情たっぷりにひたすらに孤独について歌っている切なさにあふれる曲で、個人的にもお気に入りの一曲です。ピロウズといえば、乱暴な言い方をすると陰のオタクくんにヒットするような詞世界が特徴的なわけですが、特にこの時期は消えてしまいそうな儚さがあるなぁと思います。誰かと寄り添うからこそ、欠落を感じる孤独というものは強くなるわけです。
CRYCHICの解散という悲しみから生まれるであろうMyGO!!!!!は、果たしてどのようなバンドになっていくんでしょうか。

独りぼっちなら感じる孤独は
たかが知れてるはずだよ


もうこれ以上ない程寂しいまま
死ぬまで眠らないぜ
ずっと ずっと ずっと


レッサーハムスターの憂鬱 / the pillows

キミと僕とお月様 / the pillows

続いてthe pillowsの曲です。これはかなり初期のピロウズの曲*4なんですが、セルフカバーアルバム『TURN BACK』にも収録されているのでそこそこ知られている方じゃないでしょうか。この曲は相互不理解がテーマになっていて、おなじものを見ているはずなのに、皆と一緒の気持ちではいられない悲しみを歌っています。この歌詞の主人公からは、卒業式で泣けない燈を感じさせます。
BanG Dream! It's MyGO!!!!!』を見た時に、わりと軽妙な会話シーンの中、各々の社会性のヴェールに隠されつつも微かに不協和音のように、そこに微妙なすれ違いがあることを感じ、震えたのを覚えています。燈のただ心境を吐露しただけのメモを祥子が詞と解釈するあたりなんて、本作がそうした「見える世界の違い」ということにかなり自覚的な作品ということがよく出ているシーンなんじゃないでしょうか。

同じモノを見てるのに
僕とみんなとじゃ感じ方もちがう
ちがう


だけど今はキミと同じモノ見ていたい
黙ってればすむなら そうするよ


キミと僕とお月様 / the pillows

TRIP DANCER / the pillows

the pillowsの曲です。ピロウズでキャッチーな曲でワンちゃんあるならなんだろうなと思って選びました。ああそうだよ! ピロウズをカヴァーしてほしいんだよ俺は! 文句あっか! 『FUNNY BUNNY*5』より合ってる曲を俺が選出したるつってんの!
やっぱりポイントは『TRIP DANCER』には『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』でも頻出の雨のモチーフが採用されていることですね。世間に認められない状況でも毅然とした力強さを感じる曲ですが、その逆境を表現することの一つが雨なんでしょう。雨、すなわち曇り空でありながらも栄光の象徴として「星」という言葉が出てくるのが面白い。バンドリにとっても「星」は大切なモチーフなのだと理解していますが、多分まだMyGO!!!!!にとってその星の煌めきというのは、手が届かない遠い遠いものなのでしょう。

海を逆さにした様な空
レインコート着たまま 溺れそうになっても


歩み寄るべきだ なんて思わないだろ?
探してる物は僕らの中で騒いでる


僕の振り回す手が 空に届いて
あの星を盗み出せたら 何か変わるのか


歩み寄るべきだ なんて思わないだろ?
探してる物は僕らの中で騒いでる


TRIP DANCER / the pillows

確かめに行こう / the pillows

これピロウズ版の『栞』だろ!!! 内向的ながらも優しげな歌詞とメロディが特徴的な曲です。収録アルバムの『RUNNERS HIGH』はピロウズの中でも特にオルタナ / グランジに傾倒した激しい楽曲が多いアルバムですが、そのラストトラックを飾るのがこの曲という二面性が魅力的なアルバムでもあります。
内面の吐露めいているのですが、不思議とほんのり応援歌のようでもあります。積極的な応援でなくても、おなじ悩みを持っている人に励まされることだってありますよね。

胸に刺さってるトゲを抜いて
臆病者のマスクはがして
絡み付くロープがほどけたら
君に伝えたい事がある



うまく笑えなくたっていいよ
泣きたい時は泣いてもいいよ
こっそり弱音吐いてもいいよ
偽りのない世界まで
確かめに行こう


確かめに行こう / the pillows

Sweet Baggy Days / the pillows

the pillowsの曲です。今回紹介した中では比較的新しい曲ですね(それでも16年前とかですが…)収録アルバムの『Wake up! Wake up! Wake up!』は当時avex移籍第一弾のアルバムということもあってか、ポジティブでハッピーな楽曲が多めのアルバムなのですが、そんな中でラストトラックを飾るこの曲の寂寥感といったら! この曲もまた孤独感に溢れているわけなのですが、『レッサーハムスターの憂鬱』の時代と違うのは、もはやそれをゆるりと受け入れているような雰囲気があることでしょうか。


ただ、やっぱりMyGO!!!!!の面々って女子高生ぐらいなわけですから、紹介しておいてなんですが彼女等がこの境地に至るのはまだ早いかもしれませんね。卒業式で涙を流せないことが燈の孤独の源泉であり、「人間になりたい」という一文、すなわち自分はまともな人間ではないという自認に繋がってるわけなのですが、アイロニカルを極めたさわお流に言わせると「悲しいフリをするのって 向いてないな 動物みたいに」となるわけですよ。BECK』みたいに山中さわおが『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』に登場したらこの曲を歌ってほしいです。

夢を見ない 陽は昇らない
月も出ない 星だけ流れて
悲しいフリをするのって
向いてないな 動物みたいに


sweet sweet baggy days
sweet sweet baggy days…


Sweet Baggy Days / the pillows

おまけ MyGOの曲を聞いたぞ!

オレの好きな曲投げて終わりは流石に失礼すぎだろと思ったので、MyGO!!!!!さんの曲聞いた感想もちょっと書いときます。

音一会 / MyGO!!!!!

youtu.be


疾走感あふれるツイン・ギターのイントロでドライブ感をこれでもかというぐらいに高めつつ、ポエトリーディングの語りが入る構成はとにかくインパクト大。燈の内面を反映したような陰鬱ながらもエモーショナルな歌詞と、演奏陣のサビで開花するダイナミックさのギャップが相まって、青臭さ満載の衝動に溢れた爽快な曲です。『潜在表明』と並んで、「あっMyGOってこういうバンドなのね! 完全了解!」という強烈な印象を一瞬で残していくパワーがありますね。
余談なんですけど僕は上記みたいな曲ばっかり聞いてきたから、やっぱウジウジしてるロック調の曲聞くと妙にしっくりきちゃうんですよね。

影色舞 / MyGO!!!!!

youtu.be


4つ打ちドラムにクラップが挟まるめちゃくちゃダンサブルな曲ですね。『音一会』みたいな曲を聞いた後に聞くと、「え、MyGO!!!!!ってこんなキャッチーな曲もやるんだ」って結構驚きます。曲的には一番好きかも。手数が多めのギターがカッコいいですよね。
いかにもライブで盛り上がりそうな曲なんだけど、そういういわば「みんなでめちゃくちゃになる」みたいな曲をMyGO!!!!!が歌ってることも面白い。3話までの観客に向けてなんてまだまだ演奏とかできない彼女たちの姿を見てると、どうなっていくんだろうってかなり楽しみですね。

栞 / MyGO!!!!!

youtu.be


BanG Dream! It's MyGO!!!!!』のED曲です。これはMyGO!!!!!版「確かめに行こう」です。 こんなアコースティックな曲もやるんだ! って結構ビックリしました。「痛いの痛いのとんでけ」は絆創膏のモチーフからの発展っぽい歌詞で、いいですよね。影色舞もそうなんですけどギターの手数結構多いのが特徴のバンドなのかな? と思います。
冒頭のブレス混じりの録音から強烈に「燈の声」っていうのを感じさせるんですけど、ポエトリーリーディングではある意味では楽曲と乖離していた燈の声が、ここではバンドのアンサンブルの一体として存在してるって事実だけで結構グッと来ちゃいます。『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』がどういう物語になっていくのか、マジで楽しみですね~。


おわりに

バンドモノのアニメとかを見たら毎回、今のロックのこと全然知らんのにカビの生えた往年の話題ばっかり話すオタクくん(俺)、ガチでまさしく老人でキモいな~って感じだし、心底すまんと思っています(自省)


オタクくんが話すロックの話題さぁ……バンドリ好きな人も、あとぼざろ好きな人とかも、興味ないと思うよ。アビィロードのジャケパロしてる作品でビートルズの話してるとこ見たことないでしょ? みんなバンドサウンドちゅったってヨルシカさんとか聞いてるって。他にもさぁ、オタクくんは俺もシューゲイザー好きとか言っとるかもしれんけど、今はシューゲイザーって言ってもライドとかマイブラの時代じゃないんだって。そういうズレがあんの、わかる?
ウッス……俺もそう思うっス……。


https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/bang-dream-portal/2ca1dc7d-3e7c-46fa-ba94-e5257a83b4d8.jpg

MyGO!!!!! 5th LIVE「迷うことに迷わない」公式サイトより


でもそれでも俺は本気や!!!!!
ブシロード!!!!!
頼む!!!!!
 


アニメめちゃくちゃ楽しみで~す。Ave Mujicaもめっちゃ聞いて待機してるぜ。


おわり

TURN BACK

*1:初回90分

*2:お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

*3:どうしようもない僕に天使が降りてきた / 槇原敬之」「天使みたいにキミは立ってた / the pillows」など

*4:1stシングル『雨にうたえば』のカップリング

*5:ELLEGARDENのカバーやSKET DANCEでの引用などをきっかけに、何故かピロウズでめちゃくちゃにカヴァーされてる曲。CMでも何回かカヴァーされてる。いやいい曲なんだけども!